環境マネジメントシステム

Environmental Management Systems

国際標準規格に準拠した環境マネジメントシステムを運用しています。

環境マネジメントシステムの運用

当社グループでは、国際標準規格であるISO14001規格に準拠した環境マネジメントシステムを構築・運用しています。

各事業所では、環境マネジメントシステムの体系的なしくみであるPDCAサイクル(計画→実施・運用→パフォーマンス評価→改善)を効果的に活用することで、環境パフォーマンスを継続的に改善しています。

PDCAサイクル

図:PDCAサイクル

組織体制

当社グループの環境マネジメントにおける組織体制は、当社社長を「環境管理最高責任者」とし、直属に実務責任者として「環境担当役員」を置いて、グループ全体の環境管理体制を統括しています。環境基本方針を含むグループ全体の環境に係る戦略については、経営会議にて審議・決定されます。

また、国内事業所や海外グループ会社に対する環境マネジメント体制を整備することによって、効率的で迅速なグループ内コミュニケーションを実現する体制を整備しています。2018年度からは、主要な国内生産事業所において、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証範囲を事業所単位からグループ単位に統合することによって、当社グループの環境目標を戦略的に達成する体制を構築しています。

国内外の生産拠点における
ISO14001規格の認証取得率
96%

組織体制の概要

図:組織体制の概要

国内事業所のうち、7事業所がISO14001統合認証を実施済み

海外グループ会社のうち、20生産拠点がISO14001認証を取得して運用

環境監査

当社グループの各事業所では、環境方針や環境目標の達成状況、環境マネジメントシステムの運用状況などを確認する内部監査を実施して、パフォーマンスおよびシステムの改善につなげています。また、環境マネジメントシステムの適合性および有効性を把握するために環境認証機関による外部審査を受審しています。

内部監査

社内外の研修を受けた資格を有する内部環境監査員が次の状況を確認しています。

  1. 環境関連法規制などの順守状況(順法性監査)
  2. 環境マネジメントシステムの維持管理状況(システム監査)
  3. 環境目標の達成程度(パフォーマンス監査)

外部審査

ISO14001規格に基づく環境マネジメントシステムの維持管理状況およびPDCAサイクルの機能状況などを受審した結果、全事業所がISO14001規格の認証を継続しています。第3者の視点による環境管理活動の評価や改善ポイントなどの情報を活用して、環境マネジメントシステムの継続的改善を図っています。

環境教育

当社グループでは、環境マネジメントシステムの運用を維持向上させるために、各種の環境教育を実施しています。また、環境リスクを顕在化させないための教育訓練も定期的に実施しています。

環境一般教育

従業員教育

各部門では、すべての構成員に対して、環境方針の達成に向けた自分の役割を認識させる教育を実施しています。

新入社員教育

新入社員に対して、当社グループの環境管理の基本的な考え方を認識させる教育を実施しています。

環境専門教育

内部環境監査員研修

各事業所では、環境マネジメントシステムの継続的改善を図るため、内部環境監査員の養成およびレベルアップ教育を実施しています。

緊急時対応訓練

各部門では、環境に著しい影響を及ぼす可能性のある業務に従事する構成員に対して、想定される緊急事態に対応するための訓練を定期的に実施しています。

環境コンプライアンス管理

当社グループでは、順守しなければならない環境関連法規制などを定期的に見直し、モニタリング活動などを通じて、法令順守に係る運用を適切に管理しています。

また、鉛などの有害物質を製品に使用しているため、種々の環境関連法規制を順守して事業活動を行うことはもとより、使用済み製品の再資源化システムの運用に係る法規制などについても十分考慮しています。

2019年度に、環境関連法規制に係る訴訟、罰金、過料などは発生していません。

環境リスクマネジメント

当社グループでは、ステークホルダーからの多様化する環境ニーズを考慮した環境リスクマネジメントを推進しています。また、各事業所では、環境関連の法令や地域の条例・協定に基づく規制基準より厳しい自主管理基準を設定した運用管理によって、環境汚染の予防を図っています。

環境に著しく悪影響を与える可能性のある業務に対しては、ハード対策(見える化、流出防止、除害装置の設置など)やソフト対策(設備点検、監視・測定、運用手順の徹底など)を講じることによって、環境汚染リスクの低減を実現しています。

また、万が一、緊急事態が発生した場合に備え、被害を最小化するための緊急時対応訓練を定期的に実施しています。

2019年度に、重大な環境汚染に直結する緊急事態が発生した事業所はありません。

なお、2019年度からは、気候変動に起因するリスクが当社グループの将来の事業活動に与える影響を分析・評価した上で、気候変動リスクに対応する取り組みを開始しています。

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)※1への取り組み

2017年6月に公表されたTCFDによる提言では、低炭素社会へのスムーズな移行によって金融市場の安定化を図るために、企業などに対して中長期的な気候関連のリスク・機会やその財務影響に関する情報開示を求めています。

2019年12月、当社グループはTCFD提言に対する賛同とTCFDコンソーシアムへの参加を表明しました。

当社グループは、企業経営に対して長期的で多大な影響を与える可能性がある気候関連問題を重要な経営課題として認識し、当該課題への対応戦略を推進していく必要があると考えています。そのために、TCFDの提言する情報開示スキームを考慮した気候変動シナリオによるリスク・機会の検討作業を2019年度に開始しました。地球の平均気温上昇に関する目標※2を達成して低炭素社会が実現したと想定する2℃シナリオと、同目標を達成できず地球温暖化が進行したと想定する4℃シナリオをベースに、それぞれにおけるリスク・機会の分析を進めています。

現在、リスク・機会の候補として検討しているものを次表に示します。特に、主力製品である自動車電池事業に影響を及ぼす自動車市場の動向は、リスクと機会の両面から重要視しています。また、世界規模での再生可能エネルギーの普及は、蓄電システムの販売拡大に向けた大きな機会として捉えています。

今後、TCFDを活用したリスク・機会の特定や事業戦略への展開を推進するとともに、気候変動関連情報の適切な開示に努めていきます。

1G20の要請を受けて金融安定理事会が設立した気候関連の情報開示や金融機関の対応方法を検討する組織

2地球の平均気温上昇を産業革命以前の水準から2℃を十分に下回るレベルに保つ目標

気候関連のリスク・機会の候補として検討しているもの

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区分分類バリューチェーン
ステージ
内容
機会製品・
サービス
販売再生可能エネルギーの普及に伴い、電力供給安定化に必要な蓄電設備向けに大型蓄電池の需要が増えることが想定される。市場ニーズに適合した蓄電システムの開発と製品展開によって売上拡大が見込める。
製品・
サービス
販売2℃未満シナリオや2℃シナリオによると、中期的にはガソリン車の市場が拡大し、長期的にはハイブリッド車や電気自動車が普及することが示唆されている。市場ニーズに適合した製品を適切なタイミングで上市することにより、シェアの拡大が見込める。
移行リスク規制調達2℃シナリオによると、各国のCO2排出量削減目標を達成するために炭素税が増額され、化石燃料由来のエネルギー調達コストが増加することが示唆されている。さらなる省エネルギーや再生可能エネルギー利用に向けた取り組みが重要となる。
市場販売2℃未満シナリオや2℃シナリオによる示唆、および欧州のガソリン車などの規制の計画状況を考慮すると、長期的にはガソリン車市場が大幅に縮小することが予測される。市場変化に対応するビジネスモデルの転換が必要となる。
物理リスク短期的リスク直接操業、
調達
異常気象に伴う水害により、自社工場の操業停止やサプライチェーンの分断が懸念される。自社工場の水害による損失を分析・評価する調査を2019年度から実施する。
長期的リスク直接操業4℃シナリオによる将来の渇水リスクが一部の海外グループ会社で懸念される。水の使用量削減や再利用促進など、事業活動に必要十分な水の確保策が必要となる。