環境負荷低減への取り組み

Activity to Decrease Environmental Burdens

製造段階だけでなく、製品ライフサイクルを考慮した環境負荷の低減に努めています。

開発・設計

環境に配慮した製品の設計

当社グループの製品は、製品ライフサイクルの各段階(調達、製造、輸送、使用、廃棄)において、環境に何らかの影響を及ぼしています。当社グループでは、製品ライフサイクルにおいて発生する環境負荷(資源の消費、温室効果ガスや廃棄物の排出など)を低減するために、原材料の選定、分解や分別の容易性、省エネルギー化、適切な表示などを考慮した設計を通じて、製品パフォーマンスの向上を図っています。

製品の設計における環境アセスメントでは、設計部門は設計標準に従った製品の設計を行い、製品ライフサイクルの各段階における環境影響評価に対して、DR(デザイン・レビュー)会議で製品の環境適合性を審査します。審査結果が環境影響評価基準を満たさない場合には、設計標準を見直して製品の設計を再度行います。その際、設計部門だけでなく、エンジニアリング、マーケティング、購買、品質、環境などに関係する部門の適切な専門性を活用することによって、環境適合設計の効果が最大限に発揮できるようなコミュニケーションを図っています。

環境アセスメント項目

  1. 省エネルギー
  2. 減容化
  3. リサイクル性
  4. 分解性
  5. 分別処理容易化
  6. 安全性と環境保全
  7. 材料選択
  8. メンテナンス性
  9. エネルギー効率
  10. 再使用(寿命延長)

環境アセスメントフロー

図:環境アセスメントフロー

流通している製品への情報の反映

市場に流通している当社グループの製品に対するお客様からのご要望などの重要な情報についても、現行製品の設計変更や将来の新製品の設計に活用することによって、環境適合設計の価値を高めています。製品のアフターサービス・返品・クレームなどに係るステークホルダーからの情報を、製品の環境パフォーマンスを向上する貴重な資源として活かす運用を推進しています。

製品含有化学物質管理

当社グループでは、製品に含まれる化学物質の管理基準を明確に示した「化学物質管理ガイドライン(製品含有)」をもとに、環境負荷の少ない製品を提供する取り組みを行っています。本ガイドラインは、当社グループのグリーン調達基準書に規定している納入材料に含まれる化学物質調査の一環として実施していくもので、当社グループが生産および販売する製品を構成する主材料、副材料、部品などに含有される化学物質の中で、対策を講じるべき物質を禁止物質ランクと管理物質ランクに分類するなど、製品含有化学物質の把握と管理を行うことを目的としています。当社グループは、主材料、副材料、部品などを納入しているサプライヤー様とともに、本ガイドライン対象物質の把握と管理を徹底することによって、製品の環境品質の向上に取り組んでいます。

環境配慮製品の普及促進

当社グループでは、地球温暖化の抑制に貢献する製品を環境配慮製品と定義して、当該製品の開発および普及を促進する活動に取り組んでいます。

2019年度からは、当社グループの中期経営計画に環境配慮製品に対する販売目標を組み込むことで、お客様に提供する製品を通じた気候変動への対応を事業戦略の一環として取り組んでいます。

当社グループにおける環境配慮製品の事例

対象説明対象製品の例
アイドリングストップ車用バッテリー エンジン停止中のガソリン消費をなくして燃費向上を図るアイドリングストップ車用のバッテリー
写真:アイドリングストップ車用バッテリー
蓄電システム 再生可能エネルギーを有効活用するシステム(パワーコンディショナ、リチウムイオン電池など)
写真:蓄電システムその1 写真:蓄電システムその2
車載用リチウムイオン電池温室効果ガス削減に大きく寄与するハイブリッド車用や電気自動車用のバッテリー
写真:車載用リチウムイオン電池その1 写真:車載用リチウムイオン電池その2

画像をクリックすると拡大します

製造

化学物質排出量の把握

現在、当社グループの各事業所で使用している化学物質のうち、PRTR制度の報告対象化学物質は下表のとおりです。当社グループでは、有害物質の管理を環境管理活動の中に組み込んで、環境リスクの低減化対策の実施および関連する法令順守状況を定期的に評価しています。

PRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)

「特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律」により、有害性のある化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所外に運び出されたかというデータを把握し、集計、公表することが事業者に義務付けられています。PRTR制度の届出対象物質は、第1種指定化学物質(人の健康を損なうおそれまたは動植物の生育に支障を及ぼすおそれのある物質)です。第1種指定化学物質のうち、発がん性があると評価されている物質は、特定第1種指定化学物質として区分されています。

PRTR法対象物質の排出移動状況(kg)

横スクロールで全体をご覧いただけます

PRTR法
対象物質
事業所 大気への
排出
公共用水域
への排出
下水道
への移動
当該事業所の
外への移動
合計
鉛化合物 京都60.0 - 4.9 33,000 33,064.9
長田野 33.0 - 16.0 3,000 3,049.0
群馬 36.0 3.0 - 13.0 52.0
GSユアサ エナジー 7.0 7.1 - 2,800 2,814.1
茨城 18.0 4.7 - 30.0 52.7
砒素および
その無機化合物
京都 2.8 - 0.4 3.4 6.6
群馬 - 0.7 - - 0.7
GSユアサ エナジー - - - 0.3 0.3
アンチモン
および
その化合物
京都 8.1 - 0.4 42.0 50.5
長田野 - - 2.7 - 2.7
群馬 - 0.7 - - 0.7
GSユアサ エナジー - - - 0.3 0.3
マンガン
および
その化合物
京都 - - - 1,300.0 1,300.0
長田野 2.8 - - - 2.8
リチウムエナジー
ジャパン
- - - 32,000 32,000
ニッケル
化合物
京都 - - - 540.0 540.0
長田野 1.0 - - 0.1 1.1
小田原 0.0 - 0.0 0.0 0.0
リチウムエナジー
ジャパン
- - - 2,400.0 2,400.0
コバルト
および
その化合物
京都 - - - 340.0 340.0
長田野 0.1 - - 0.1 0.2
リチウムエナジー
ジャパン
- - - 2,400.0 2,400.0
ジクロロメタン 京都 0.5 - - 320.0 320.5
茨城 1,400.0 - - 34.0 1,434.0
カドミウム
および
その化合物
小田原 0.0 - 0.0 0.0 0.0
トリエチレン
テトラミン
茨城 0.0 0.0 - 0.0 0.0
合計   1,569.3 16.2 24.3 78,223.2 79,833.0

-:対象外

:特定第1種指定化学物質製造

廃棄物排出量の削減

当社グループでは、生産工程から排出される有害物質を含む廃棄物(鉛含有汚泥、廃アルカリなど)の排出量を削減する活動はもとより、非有害廃棄物(木屑など)の排出削減にも積極的に取り組んでいます。

群馬事業所では、海外からの電池の輸入時に使用される木製パレットの仕様を変更することで、工場内での電池の運搬や他事業所への電池の輸送への再利用を実現しました。2019年度は、7,000枚以上の木製パレットを再利用した結果、木屑排出量を前年度より224トン削減するとともに、天然資源の消費を抑制する活動に繋げています。

当社グループでは、循環型社会の実現に貢献するために、廃棄物の削減や再資源化に対する取り組みを推進しています。

写真:海外輸入電池の荷姿

海外輸入電池の荷姿

写真:再利用する木製パレット

再利用する木製パレット

生産活動に伴う温室効果ガスの削減

当社グループの国内事業所では、照明装置のLED化や啓発活動による省エネルギー活動の推進とともに、生産性改善活動(設備使用条件の変更、設備更新など)によるエネルギー利用の効率化を図っています。特に、当社グループの電力使用量の大半を占める蓄電池の充電工程における省電力化は、温室効果ガス排出量の削減に関する重要課題として各事業所で取り組んでいます。

京都事業所では、蓄電池の充電プロセスの改善や充電装置の改良に継続的に取り組んだ結果、2019年度は381MWhの電力使用量の削減効果を実現しました (約197t のCO2排出削減効果)。

当社グループでは、本来業務の効率化を図ることによって、出来る限りエネルギー利用のムダを低減し、エネルギー利用に伴う温室効果ガス排出量を削減する取り組みを推進しています。

写真:蓄電池の充電工程

蓄電池の充電工程

異常気象を想定した排水処理の運用

当社グループは、蓄電池を製造する際に有害物質(鉛など)を使用しているため、工場周辺の環境への悪影響を最小化する活動を継続的に取り組んでいます。また、気候変動に伴う異常気象(大量降雨など)が発生した場合に備えて、法規制基準に適合した排水を敷地外に放流するための対策を講じています。

長田野事業所では、工場の屋根に設置した散水装置によって、屋根の堆積物(有害物質を含む)を定期的に洗浄しています。人工散水による洗浄水は適切な排水処理を実施した後に放流しています。大量降雨への対応策を定期的に講じることで、排水の水質安定化を図っています。

写真:長田野事業所の散水設備

工場の屋根に設置した散水設備(長田野事業所)

輸送

物流における省エネルギー活動

当社グループでは、製品ライフサイクルにおける環境負荷低減の取り組みの一つとして、貨物輸送における省エネルギー活動を推進しています。

物流に係る貨物輸送量、エネルギー使用量、CO2排出量などを把握するしくみを構築して、物流拠点の統合による拠点間輸送量の削減やトラックから鉄道コンテナなどへ輸送方式を変更するモーダルシフトなどの省エネルギー対策を実施しています。

また、当社グループでは、5シリーズの自動車用・バイク用電池において、エコレールマーク制度の認定を受けています。本商品をお客様にご購入いただくことで、お客様と企業が一体となって環境負荷を低減する活動を実施しています。

当社グループは、積極的な鉄道貨物輸送を活用することによって、環境に配慮した物流を推進しています。

製品などの流通過程において環境負荷の少ない鉄道貨物輸送を積極的に活用している企業や商品を公益社団法人鉄道貨物協会が認定する制度

写真:当社グループのエコレール認定商品の一例

当社グループのエコレール認定商品の一例

再資源化

産業用電池に係る広域認定制度の活用

広域認定制度とは、製品の製造事業者が市場で使用済みとなった製品の再生や廃棄処理に自ら関与することで、効率的な再生利用や処理・再生しやすい製品設計へのフィードバックを推進するとともに廃棄物の適正な処理を確保することを目的とした廃棄物処理法上の制度です。

当社グループは、2008年1月に産業用電池および電源装置に係る広域認定を環境省より取得し、2009年1月以降の受注物件より当該認定による再資源化システムの運用を本格的に開始しました。運用開始後も、対象製品の拡大や運用ルールの見直しなどの改善を実施して、使用済み産業用電池を確実かつ適正に処理できるしくみを確立しています。

今後も、顧客サービスの向上と使用済み製品の再資源化および適正処理に向けて、より効果的な広域認定制度の運用を推進していきます。

広域処理実績量の推移(産業用電池、電源装置)

グラフ:広域処理実績量の推移(産業用電池、電源装置)

広域認定処理に係る運用管理の徹底

当社グループは、使用済みとなった当社製品に係る回収・再資源化システムを構築・運用することが、循環型社会を推進するために重要であると考えています。そのため、当社グループでは、2010年3月に発行した「産業廃棄物に係る広域認定制度運用ガイドライン」をもとに、広域認定制度を活用した使用済み製品の適正処理および再資源化の推進に係る取り組みを強化しています。本ガイドラインは、当社グループが広域認定制度を活用した使用済み製品の適正処理を運用するための基本的な考え方を示した指針です。本ガイドラインでは、当社グループが広域認定制度を運用する上において重要な3つの要素であると考えている①広域認定制度の概要、②広域認定における処理工程、③運用体制の確立と運用管理に対する具体的な管理手法を明確にしています。また、広域認定に係る廃棄物処理業者の処理状況を確認する場合に使用するチェックリストなどの実践で活用するためのツールや事例集を本ガイドラインに掲載することによって、広域認定処理に係る適正な運用管理の徹底を図っています。

製品に使用する再生鉛の利用率向上

当社グループは、主力製品である鉛蓄電池の主材料として使用する鉛の再生利用率向上に取り組んでいます。

2019 年度からは、中期経営計画に鉛の再生利用率に対する目標を組み込み、事業戦略と一体となった循環型社会の実現への貢献を目指しています。

当社グループでは、拡大生産者責任に基づくリサイクルシステムの構築と運用により、お客様などで使用済みとなった当社製品の再資源化に取り組んできました。今後は、当社製品における再生材料の利用促進についても強化していきます。