Ensuring Social Responsibility within Our Supply Chain
私たちは、サプライヤー様と協働して、さまざまな社会課題や環境問題の解決に向けた取り組みを推進しています。
当社グループでは、すべてのサプライヤー様を重要なビジネスパートナーであると考えています。そのため、サプライヤー様に対する品質管理、安全衛生管理、コンプライアンス、CSR全般に関する教育・指導などに取り組むことで、サプライヤー様とともに事業基盤の強化を図っています。
主要なサプライヤー様に対しては、当社グループの経営方針、年度事業方針、調達基本方針などをご理解いただき、相互理解を深めて信頼関係を強化するために、調達方針説明会を毎年開催しています。また、サプライヤー様に期待している取り組み(CSR、安全、品質、納期、価格など)に対して、優れた成果を上げたサプライヤー様を表彰しています。
2024年度は、3つの重点取り組み項目(サプライチェーン全体における安定調達の実現、相互発展に向けた事業基盤(QCDS)の強化、社会やステークホルダーのニーズに応えるSDGs・カーボンニュートラル・デジタルトランスフォーメーションへの取り組み)を軸に調達活動を推進していきます。
サプライヤー様向け調達方針説明会
サプライヤー様向け調達方針説明会
サプライヤー様とのより良いパートナーシップを構築し、
サステナブル調達を通じて、人と社会と地球環境に貢献します。
当社グループは、強制労働、児童労働、環境破壊などが国際的な社会課題として認識されている状況の中で資材調達を行うにあたり、従来の品質、性能、価格、納期などの納入条件のみならず、CSR要素(人権、労働環境、地球環境など)を最優先に調達活動を推進することが必須要件だと考えています。そのために、自社だけでCSRに取り組むのではなく、サプライヤー様と協力して社会課題に対応するCSR調達(持続可能性に配慮した責任ある調達活動)を推進しています。当社グループは、CSR調達に取り組むことにより、当社グループとサプライヤー様の双方の企業価値が向上し、サプライチェーン全体の相互繁栄が実現できるものと考えています。
当社グループでは、CSR調達の観点からサプライヤー様に取り組んでいただきたい事項を明示した「CSR調達ガイドライン」を2018年度に発行しました。本ガイドラインは、サプライヤー様とのパートナーシップに基づく持続可能な社会への貢献を通じて、相互の業績向上や事業持続性に影響をおよぼす可能性のある事業リスクを低減することを目的に作成しています。なお、海外のサプライヤー様にも本ガイドラインの内容が理解できるように、多言語(7言語)に翻訳して配布しています。また、グローバルサプライチェーンに本ガイドラインの周知徹底を図ることで、サプライチェーン上のCSR課題(労働者の人権課題など)に対応する重要性に関するサプライヤー様の認識向上に努めています。サプライヤー様に対する説明会などを通じて、本ガイドラインの主旨を理解していただいた上で、サプライチェーン全体に本ガイドラインを周知しています。また、サプライヤー様から本ガイドラインの内容に協働する旨の同意を得ることによって、CSR調達の成果に対する認識の深度化を図っています。なお、新規取引の場合には、本ガイドラインに合意するサプライヤー様を選定し、社会的基準に関する遵守事項(環境保全、法令順守、人権尊重、公正な取引、反社会勢力の排除など)を含む取引契約を締結しています。
また、調達担当者に対して、CSR調達を適切に実践するための教育を実施しています。CSR調達ガイドラインの理解の深度化を図るとともに、事業継続性に影響を及ぼす可能性のあるCSRリスクをサプライチェーン全体で未然に防ぐことの重要性を認識させています。
サプライヤー様への要請事項の概要
区分 | 要請事項の概要 |
---|---|
労働 |
|
安全衛生 |
|
環境 |
|
企業倫理 |
|
製品安全 |
|
調達担当者へのCSR調達に関する教育
当社グループでは、持続可能なサプライチェーンを実現するために、主要サプライヤー様のCSR調達ガイドライン要請事項への適合性を定期的に調査しています。本調査では、サプライヤー様がアンケート形式の調査票を活用して自社のCSR対応状況を自己評価しています。当社グループは、サプライヤー様の自己評価結果に基づいてサプライチェーン上のCSR課題を特定し、本課題を改善するプロセスを運用しています。サプライヤー様と協働でサプライチェーン上のCSR課題の改善に取り組むことで、事業基盤の強化を図っています。
サプライヤーCSR調査項目の概要 (2022年度)
横スクロールで全体をご覧いただけます
分類 | 設問数 | 設問項目の例 |
---|---|---|
労働 | 12 | 強制労働、児童労働、労働時間、賃金、非人道的行為、差別など |
安全衛生 | 10 | 職務上の安全管理、緊急事態への備え、産業衛生、身体に負荷のかかる作業、機械装置など |
環境 | 6 | 環境許可、汚染防止、有害物質、廃棄物、大気排出、排水など |
企業倫理 | 7 | 法令順守、賄賂、知的財産、不公正な取引、内部通報制度、情報セキュリティなど |
製品安全 | 1 | 製品安全性の確保 |
合計 | 36 |
サプライヤーCSR調査に基づく課題改善状況
横スクロールで全体をご覧いただけます
項目 | 国内事業所のサプライヤー | 海外事業所のサプライヤー | 合計 | 備考 |
---|---|---|---|---|
調査会社数 | 220 | 162 | 382 | 調査:2022年度、改善:2023年度 |
改善対象会社数 | 20 | 14 | 34 | |
改善活動完了率 | 100% | 100% | 100% |
当社グループでは、持続可能なサプライチェーンの実現に向けて、サプライヤー様と連携したさまざまな取り組みを推進しています。
CSR調達を推進する具体的な取り組みの例
当社グループでは、部品および原材料の供給元であるサプライヤー様を含めた品質向上活動と安全衛生活動を推進するために、必要に応じて、サプライヤー様のニーズを反映した品質指導や安全衛生パトロールなどを実施しています。
品質向上活動については、当社グループへの納入品に対する品質不適合の目標値や実績値をサプライヤー様と共有した上で、品質改善にともに取り組んでいます。また、サプライヤー様への品質勉強会や工場見学会などを開催することによって、サプライヤー様における品質改善活動を支援しています。
また、サプライヤー様で発生する労働災害は当社グループの労働災害であると捉え、サプライヤー様とともに安全第一を基本にした行動に取り組んでいます。サプライヤー様の工場の安全点検を行う安全衛生パトロールでは、サプライヤー様に潜在的な危険源を指摘してリスクの大きさに応じた低減措置の実施を提案しています。サプライヤー様が、労働者に危険性のある職場安全リスクを特定し、危険源の監視や安全作業手順の策定などを適切に実施できるように支援しています。また、職場に存在する身近な危険を体験的に理解する危険体感教育を2019年度からサプライヤー様に開催しています。
このような活動により、サプライチェーンを通じた強力なパートナーシップを構築し、お客様で使用する製品の品質とサプライヤー様の安全衛生を確保する取り組みを推進しています。
危険体感教育
国内グループ会社では、「グリーン調達基準書」に基づいて、以下の事項をサプライヤー様に要請しています。
② については、EU規制(REACH規則、RoHS指令など)に代表される各国法規制に対応した「化学物質管理ガイドライン」に従った環境負荷物質の調査をサプライヤー様へ依頼しており、顧客ニーズで指定される個別の化学物質の調査についても対応要請を行っています。
グリーン調達に係るサプライヤー様への要請事項については、対応状況の確認や監査などにより、その適切性を評価しています。また、新規にサプライヤー様を選定する際には、環境管理に係る取引先選定基準を運用しています。2023年度に新規契約を締結したサプライヤー様はすべて当該基準を満たしています。なお、既存のサプライヤー様については、CSR調達に関するサプライヤー調査プロセスを活用して環境保全への対応状況を確認しています。
グリーン調達基準に適合した物品を納入できるサプライヤー様と優先的に取引することで、サプライチェーンを含めた環境負荷の低減を推進しています。
当社グループは、当社製品などに使用される鉱物の採掘、輸送、取引において発生する可能性のある社会問題(武力紛争、人権侵害など)に対応することがグローバルな鉱物サプライチェーンにおいて重要であると考えています。責任ある鉱物調達の推進にあたっては、サプライチェーン全体で責任ある鉱物調達を確保するための国際的なフレームワークである「OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」に基づいて、責任ある鉱物調達の基本的な考え方を示した方針を制定しています。また、責任ある鉱物調達を推進する国際的なイニシアティブであるRMI*1が策定した実践的なガイダンスを活用して、鉱物調達プロセスの透明性を確保する活動に取り組んでいます。なお、鉱物サプライチェーンにおける調達リスクを把握する際には、RMIが提供する調査票テンプレート(CMRT*2、EMRT*3)を活用しています。
当社グループは、サプライヤー様をはじめとするさまざまなステークホルダーと連携して武力紛争や人権侵害への加担を回避する活動を実施するために、責任ある鉱物調達方針に基づいた鉱物調達リスク管理に取り組んでいます。
1RMI:Responsible Minerals Initiative
2CMRT:Conflict Minerals Reporting Template
3EMRT:Extended Minerals Reporting Template
GS YUASAは、製品、部品および材料に使用される鉱物のサプライチェーンにおいて発生する可能性のある重大な悪影響のリスクを認識し、人権を尊重し紛争には手を貸さない責任を果たすために、以下の取り組みを通じて、国際的に認知されたフレームワークを尊重した責任ある鉱物調達を推進いたします。
責任ある鉱物調達におけるリスク管理プロセス
横スクロールで全体をご覧いただけます
No. | プロセス | プロセスの概要 | |
---|---|---|---|
1 | リスク管理システムの構築 |
|
|
2 | サプライチェーンにおけるリスクの特定 |
|
|
3 | 特定されたリスクに対処するための戦略立案、対策の実施 | RMI非認証製錬所*5が特定された場合 | サプライヤー様への是正の要請 |
顧客から懸念のある製錬所の指摘を受けた場合 | 指摘事項を確認した上で、サプライヤー様への適切な対応の要請(製錬所の再精査など) | ||
4 | 取り組み状況の公表 | 当社グループの責任ある鉱物調達に関するリスク管理状況を毎年公開 |
4スズ、タンタル、タングステン、金
5責任ある鉱物イニシアティブ(RMI)が定めるデューディリジェンス基準に適合していない製錬所、またはRMI認証を受審していない製錬所
責任ある鉱物調達に関するリスク管理状況
2023年度は、163社のサプライヤー様を対象に、責任ある鉱物調達に関する調査を実施しました。調査の進捗管理を月次で行うことで、回答率100%を達成しています。なお、回答に不備があった場合は、再調査を依頼してデータの信頼性を確保しています。また、RMI非認証製錬所が特定された場合は、サプライヤー様に是正を求めています。
当社グループでは、気候変動や資源枯渇などの環境課題に対応するために、自らの事業活動のみならず、サプライチェーンを通じた環境負荷の低減活動を推進しています。
特に、カーボンニュートラルや水資源問題に関する対応として、当社グループ向けの生産に伴うCO2排出量や水使用量の削減目標(前年度比1%以上削減)の達成に向けて、サプライヤー様に協力を要請しています。
当社グループは、サプライチェーン全体でエネルギーや水などの資源を効率的に利用することによって、事業活動全体における環境保全に取り組んでいます。
当社グループは、自社の使用済み製品を再資源化するシステムを活用した再生資源の調達活動を推進しています。資源の循環利用を促進するために、自動車用鉛畜電池の循環利用を促進する業界団体(一般社団法人鉛蓄電池再資源化協会)に参画して、同業他社と協働で安定した使用済み製品のリサイクルを適切に運用しています。また、本リサイクルシステムと連携したサプライチェーンを確立することによって、再生材料(再生鉛など)の調達ルートを構築しています。
当社グループは、自社の使用済み製品の再資源化を促進することで、循環型社会の構築に貢献するとともに、安定的な主要材料の確保を図っています。
TOPICS
株式会社 GSユアサは、サプライチェーン全体の共存共栄や適正な取引価格の実現などをコミットメントした「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。この宣言は、経済団体や経済産業省などで構成される「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」の趣旨に賛同し、サプライチェーン全体の価値を高め、大企業と中小企業の共存共栄を促進することを目指して策定したものです。今後も、当社グループは、本宣言に従い、サプライチェーン内での公正で健全な事業活動を推進していきます。
株式会社 GSユアサのパートナーシップ構築宣言の内容については、こちらをご参照くださいPDFファイルの閲覧や印刷には、Adobe Readerが必要です。
インストールされていない場合は、Adobe Systems社のWebサイトよりダウンロードして下さい。