Developing Fair, Transparent, and Sound Business, and Anti-Corruption
社会からの信頼を得るために、高い倫理観を持った行動によって適正な利益を得ることを重要視しています。
当社は、企業理念である「革新と成長」を通じて人と社会と地球環境への貢献を実践するためには、全従業員が、法令、倫理、社則の遵守を重視した行動をとることが重要であると認識しています。
当社社長が全従業員に発信している「コンプライアンス宣言」では、コンプライアンス先進企業となるために、法令違反や倫理に反した行為による成果を求めない旨をコミットメントし、「ルールやしくみの整備」と「コンプライアンス実現に向けた強い意志」が必要不可欠であることを示しています。当社グループでは、当該指針のもと、多角的なコンプライアンス推進活動を全階層の従業員に展開し、コンプライアンス意識の向上を実効性のあるものにするために、各従業員がなすべきことを自律的に考えさせることを基本的な考え方としています。
当社グループでは、グループの一員として遵守すべきルールを明確にしたマニュアル(CSRマニュアル)を全従業員に配布して、コンプライアンス意識の社内浸透を図っています。
本マニュアルは、当社グループのCSR方針を解説したものであり、各従業員が業務を行う際にどのような行動をすべきかの基準を明確にしています。各従業員が行動基準に基づいた行動をとるためのツールとして活用するために、本マニュアルには次の事項を掲載しています。
また、本マニュアルにコンプライアンスリスクを容易に発見するしくみである内部通報制度の活用方法や危機事象発生時の緊急連絡体制を掲載することによって、コンプライアンス違反事案への早期対応の実現を図っています。
コンプライアンス職場ミーティングは、コンプライアンス意識を従業員一人ひとりに浸透させることを目的に、2012年度からはじまり、2020年度まで9年連続で開催しています。
2018年度からは、CSR方針に関連するテーマを取り上げた「CSR職場ミーティング」として実施し、株式会社 GSユアサの全職場(364職場)だけでなく、国内グループ会社(22社)も適用範囲の対象にしています。各テーマを管轄する部門が作成した教材を使用することで、当社グループの状況に応じた教育内容にしています。
2020年度に実施した本ミーティングでは、多くの職場で活発な意見交換が行われ、97%の職場が「有効だった」と評価しています。
本ミーティングは、今後も継続して開催し、常に最新かつ教育効果の高いテーマを採用していきます。
CSR職場ミーティングのテーマの例
当社グループは、「企業倫理ホットライン規程」を制定しており、従業員、派遣社員、サプライヤー様などが、当社グループの従業員などによる法令および社則の違反、その他の不正または不適切な行為、またはそのおそれがある事項を発見した場合に、匿名での通報が可能な「企業倫理ホットライン」を社内外に設置しています。2020年度はハラスメントに関する事案を含む4件の通報がありました。情報提供者の保護を確保した上で、必要な調査を行い、適切な措置を講じています。
企業倫理ホットラインへの通報件数
年度 | 件数 |
---|---|
2016 | 5 |
2017 | 6 |
2018 | 10 |
2019 | 7 |
2020 | 4 |
当社グループは、「反社会的勢力である個人および団体とは一切の関係を持たない」ことをCSR方針で明確にしています。また、CSR行動規範では、「反社会的勢力との関係の遮断」を掲げ、「株主の権利行使に関連して、いかなる形の財産上の利益を供与しないこと」「反社会的勢力である個人および団体との取引関係、その他いかなる関係も持たないこと」を具体的な指針として定め、これらの方針および行動規範を全従業員に周知しています。
当社は、グローバルな情報セキュリティへの取り組みが重要であると考えています。外部セキュリティサービスによる通信状況の常時監視や不正アクセス検知システムの導入などを通して、社内ネットワークへの不正アクセスを防止し、被害を未然に防止することができるように取り組んでいます。また、機密情報の流出防止を図るために、社外持ち出しパソコンに対してデータを暗号化しています。さらに、従業員に対して、情報セキュリティハンドブックの配付やeラーニングによる教育などを通じて、「情報システム利用管理手順」を遵守する啓蒙活動を推進しています。海外グループ会社についても、国内のセキュリティ対策を基準にした対応状況の調査を行い、セキュリティが脆弱な箇所への対策を行うように指導しています。
当社は、技術開発の成果である知的財産を重要な資産の一つとして捉えています。
毎年、国内では約200〜300件、海外では約100〜150件程度の特許を出願しています。積極的な特許出願を通じて、当社グループの優位性のある技術を守り、模倣品を排除することによって、お客様の信頼を守ることを基本としています。
2019年度からは、従前の知的財産保護活動に加えて、特許分析やAI/IoTに関連した特許活動の推進、また海外グループ会社における知的財産リスクの回避を目的とした活動にも注力し、当社グループの最先端およびグローバルな事業推進を知的財産分野から支援しています。また、海外で頻発する模倣品による被害に対しては、不正商品の摘発や訴訟などを通じて、お客様が安心して当社製品を購入できる活動に継続的に取り組んでいます。
当社グループは、持続的に成長し、企業価値を向上させていくためには、多様なステークホルダーと前向きに対話して理解を得ながら事業活動を行う必要があると考えています。
近年、株主や投資家の資産運用は多様化しており、投資先企業の環境への取り組みやステークホルダーとの関係性などに強い関心を持っています。当社グループでは、財務情報だけでなく、持続可能性に関する重要な情報を適切に開示することで、経営の透明性を高める取り組みを推進しています。
当社グループのCSRコンテンツにおいても、当社グループが社会や環境に与える重大な影響などについて、正確でわかりやすく、有用性の高い情報を社会に提供することによって、幅広いステークホルダーとのコミュニケーションを通じた相互理解の深度化による信頼関係の構築を目指しています。
当社は、株主・投資家をはじめとするステークホルダーの皆様とさまざまな機会を通じてコミュニケーションを図っています。
IR活動としては、四半期ごとの決算説明会に加え、機関投資家との個別面談、個人投資家向けの説明会などを定期的に実施しています。また、Webサイトを活用した情報発信も積極的に行っています。
当社は、このような活動を通じて得られた意見を経営層で共有し、経営や事業活動に反映するよう努めています。
IR活動の実績(2020年度)
横スクロールで全体をご覧いただけます
対象 | 活動内容 | 実績 |
---|---|---|
株主 | 株主総会 | 1回 |
機関投資家、アナリスト | 決算説明会 | 4回 |
個別面談 | 国内172回、海外21回 | |
カンファレンス | 3回 | |
スモールミーティング | 5回 | |
個人投資家 | 個人投資家向け説明会 | 1回 |
2020年度の個人投資家向け説明会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、オンラインでの開催1回のみとなりました(2019年度は7回実施しています)。そのため、当社では個人投資家向けのWebサイトをリニューアルして情報の充実化を図りました(個人投資家向け説明動画や資料の掲載など)。
(個人投資家のみなさまへ) https://www.gs-yuasa.com/jp/ir/individual/
当社グループでは、企業が永続的に成長していくために、リスク管理は欠かすことができないものと考えています。リスクが顕在化することによって発生した危機事象が当社グループや社会に重大な影響を及ぼすことがないように、当社グループは基本的な考え方として次の2つが重要と考えています。
まず、リスクを予見、把握し、適切な事前措置を実施することによって、リスクの顕在化(危機事象の発生)の未然防止を行います。また、万が一、危機事象が発生した場合に損失を最小限に抑えられるように、あらかじめ有効な措置を講じておきます。当社グループでは、このような考え方を基本とした適切なリスク管理を推進する「リスク管理規則」を制定しており、従業員などの責務やリスク管理推進体制などを規定しています。
リスク管理の体制と機能
グループ全体のリスク管理の推進とリスク情報の共有化を図るために、半年に1度、当社社長を委員長とし、各部門リスク管理委員長を構成員としたグループリスク管理委員会を開催しています。同委員会では、リスク管理施策の決定を行うとともに、各部門リスク管理委員長が報告したリスク管理状況に対して適切なリスク管理措置が実施されていることを確認しています。また、それぞれのリスク管理のあり方について、積極的な意見交換と情報共有を行っています。
各部門では、リスク管理規則に従って、「リスク管理シート」を用いたリスクマネジメントを実施しています。活動概要は次の通りです。
また、万が一、危機事象が発生した場合には、危機事象の内容、対応の経緯、原因究明、再発防止策をリスク管理シートに記入しています。再発防止策については、「基本対応」にフィードバックした上で、その実施状況を毎月確認することにより、同様の危機事象が再発しないしくみとしています。
部署ごとに作成されたリスク管理シートは部門ごとに集約され、その部門を管掌する取締役が出席するリスク管理委員会でリスク対応状況の確認や評価を行います。委員会における議論の内容は、必要に応じて各部署へフィードバックされ、リスク管理の実効性を向上させるしくみとなっています。
リスクが顕在化する事態に備えて、経営危機事象を迅速に把握する緊急連絡網などの体制を整備しています。重大な危機事象が発生した場合には、会社損失の最小化を図るために、当社社長を委員長とし、グループリスク管理委員会の中から選定された委員を構成員とする危機管理対策本部を設置して、迅速かつ十分な注意をもって適切に対応します。
当社グループのコーポレート・ガバナンスの概要については、こちらをご参照ください。