公正、透明かつ健全な事業活動の推進と腐敗の防止

Developing Fair, Transparent, and Sound Business, and Anti-Corruption

社会からの信頼を得るために、高い倫理観を持った行動によって適正な利益を得ることを重要視しています。

法令等の遵守

コンプライアンス推進の基本的な考え方

当社は、企業理念である「革新と成長」を通じて人と社会と地球環境への貢献を実践するためには、全従業員が、法令、倫理、社則の遵守を重視した行動をとることが重要であると認識しています。

当社社長が全従業員に発信している「コンプライアンス宣言」では、コンプライアンス先進企業となるために、法令違反や倫理に反した行為による成果を求めない旨をコミットメントし、「ルールやしくみの整備」と「コンプライアンス実現に向けた強い意志」が必要不可欠であることを示しています。当社グループでは、当該指針のもと、多角的なコンプライアンス推進活動を全階層の従業員に展開し、コンプライアンス意識の向上を実効性のあるものにするために、各従業員がなすべきことを自律的に考えさせることを基本的な考え方としています。

コンプライアンス意識の浸透

当社グループでは、グループの一員として遵守すべきルールを明確にしたマニュアル(CSRマニュアル)を全従業員に配布して、コンプライアンス意識の社内浸透を図っています。

本マニュアルは、当社グループのCSR方針を解説したものであり、各従業員が業務を行う際にどのような行動をすべきかの基準を明確にしています。各従業員が行動基準に基づいた行動をとるためのツールとして活用するために、本マニュアルには次の事項を掲載しています。

  • 具体的なコンプライアンス運用事例やコンプライアンスリスク顕在化事例(Q&A形式やコラムで解説)
  • 行動基準を遵守しているかを自己診断するチェックリスト

また、本マニュアルにコンプライアンスリスクを容易に発見するしくみである内部通報制度の活用方法や危機事象発生時の緊急連絡体制を掲載することによって、コンプライアンス違反事案への早期対応の実現を図っています。

CSR職場ミーティング

コンプライアンス職場ミーティングは、コンプライアンス意識を従業員一人ひとりに浸透させることを目的に、2012年度からはじまり、2021年度まで10年連続で開催しています。

2018年度からは、CSR方針に関連するテーマを取り上げた「CSR職場ミーティング」として実施し、株式会社 GSユアサの全職場(380職場)だけでなく、国内グループ会社(21社)も適用範囲の対象にしています。各テーマを管轄する部門が作成した教材を使用することで、当社グループの状況に応じた教育内容にしています。

2021年度に実施した本ミーティングでは、多くの職場で活発な意見交換が行われ、96%の職場が「有効だった」と評価しています。

本ミーティングは、今後も継続して開催し、常に最新かつ教育効果の高いテーマを採用していきます。

CSR職場ミーティングのテーマの例

  • 企業理念
  • CSR方針と行動規範
  • ダイバーシティ
  • 意図的な不正行為の防止
  • 機密情報の取り扱い
  • 下請法
  • 個人情報の保護
  • 安全保障貿易管理
  • 知的財産
  • 人権の尊重
  • ハラスメント
  • 労働時間管理
  • 安全衛生
  • 製品安全
  • 特定施設届出
  • 地球温暖化と企業の責任
  • サプライチェーンにおける社会的責任活動の推進

企業倫理ホットライン

当社グループは、「企業倫理ホットライン規程」を制定しており、従業員、派遣社員、サプライヤー様などが、当社グループの従業員などによる法令および社則の違反、その他の不正または不適切な行為、またはそのおそれがある事項を発見した場合に、匿名での通報が可能な「企業倫理ホットライン」を社内外に設置しています。

また、通報者自身を特定させる情報の適切な管理や、通報したことによる不利益な取り扱いが発生しないように、通報者保護の徹底を図っています。

2021年度はハラスメントに関する事案を含む8件の通報がありました。情報提供者の保護を確保した上で、必要な調査を行い、適切な措置を講じています。

企業倫理ホットラインへの通報件数

年度件数
20176
201810
20197
20204
20218

反社会的勢力の排除

当社グループは、「反社会的勢力である個人および団体とは一切の関係を持たない」ことをCSR方針で明確にしています。また、CSR行動規範では、「反社会的勢力との関係の遮断」を掲げ、「株主の権利行使に関連して、いかなる形の財産上の利益を供与しないこと」「反社会的勢力である個人および団体との取引関係、その他いかなる関係も持たないこと」を具体的な指針として定め、これらの方針および行動規範を全従業員に周知しています。

情報セキュリティ

情報セキュリティへの取り組み

当社は、グローバルな情報セキュリティへの取り組みが重要であると考えています。

当社グループでは、パソコンなどのエンドポイントのマルウェア感染などを防止するとともに、万が一感染や不正侵入を許してしまった場合に備えて、迅速に検知・対応可能なツールを導入して、セキュリティ強化を図っています。また、外部セキュリティサービスを活用した通信状況の常時監視や不正アクセス検知システムの導入などを通して、社内ネットワークへの不正なアクセスを防止し、被害を未然に防止することができるように取り組んでいます。

また、機密情報の流出を防止するために、社外に持ち出すパソコンデータを暗号化しています。従業員に対しては、情報セキュリティハンドブックの配布やeラーニングの運用などを通じて、情報システムの利用管理手順を徹底させるための啓発活動を推進しています。

海外グループ会社に対しては、国内のセキュリティ対策を基準にした対応状況の調査を行い、セキュリティが脆弱な箇所への対策を行うように指導しています。

知的財産

知的財産に対する戦略的な取り組み

当社グループの知的財産活動は、いかにすれば当社の事業成長に結びつくかを考慮した上で、PDCAサイクルを活用した知財管理(自社特許力の見極め、知財リスクの特定、リスク対応、権利の取得・活用など)を推進しています。特に、第五次中期経営計画から第六次中期経営計画期間においては、次の3つの事項に重点を置いて、活動の強化を図っています。

戦略型業務への変革

ランドスケープ手法を用いて自社や他社の特許を分析し、開発部門や事業部と技術動向情報などを共有して対策の検討などを実施します。

事業部密着型の知財創出、クリアランス活動

事業部との人事交流や、開発部門・事業部との知財定例会の開催を通して、有力な技術に対する戦略的な特許網づくりを進めます。また、事業上で障害となる他社の知財権を迅速に発見し、事前に知財リスクの顕在化を回避する活動を実施します。

外国競合の排除

特に、中国やアセアンでの競合に対して、当社の権益を確保するために、競合の特許取得情報や製品の解体調査などを実施します。また、知的財産権の取得や活用を積極的に実施します。

当社グループにおける知的財産活動のイメージ

図:知的財産活動のイメージ

経営層とのコミュニケーション

当社グループでは、経営層と知財戦略方針を期初に検討し、年4回の経営ヒアリングを通じて、本方針の達成状況、新たな課題や係争に関する状況などを報告しています。

経営層との検討テーマの例

  • 全固体電池に関する自他社の特許情報
  • 株式会社GSユアサ インフラシステムズとの特許におけるシナジー効果

知的財産創出活動

当社グループでは、発明方針会議を開催して年度の重点発明テーマ情報を開発部門と共有し、注力するテーマと適切な特許網の構築手法を決定した上で、発明計画を策定しています。本計画については、定例会議で進捗状況を確認し、計画修正を図りながら、目標達成に向けた活動に取組んでいます。また、事業に最も貢献した特許を表彰する優秀発明賞や、質・量ともに優れた発明を行った者を表彰するベストインベンター賞などの、全社的な発明促進に向けた表彰制度を整備して、発明に対するインセンティブ向上を図っています。近年では、AIやIoTを活用した新規事業を特許の側面から支援できるように、コトづくりに関する特許出願の推進にも注力しています。

グローバルな活動

当社グループでは、大部分の国内特許出願を海外の特許出願に展開しています。また、海外における新興企業の競合化を抑制するために、特許権を活用した事業防衛にも注力しています。

商標権については、中国やアセアンなどの模倣品業者に対する模倣品の摘発や差止損害賠償訴訟などによって、模倣ビジネスの抑制を図っています。また、大きな成果を得た模倣品対策情報を当社や海外関係会社のWebサイトを通じて公開することで、模倣品業者を牽制しています。

特許の出願件数および保有件数 (2021年度)

項目国内海外合計
特許出願件数 310 156 466
特許保有件数 1,945 1,781 3,726

透明性のある情報開示

社会との良好なコミュニケーション

当社グループは、持続的に成長し、企業価値を向上させていくためには、多様なステークホルダーと前向きに対話して理解を得ながら事業活動を行う必要があると考えています。

近年、株主や投資家の資産運用は多様化しており、投資先企業の環境への取り組みやステークホルダーとの関係性などに強い関心を持っています。当社グループでは、財務情報だけでなく、持続可能性に関する重要な情報を適切に開示することで、経営の透明性を高める取り組みを推進しています。

当社グループのCSRコンテンツにおいても、当社グループが社会や環境に与える重大な影響などについて、正確でわかりやすく、有用性の高い情報を社会に提供することによって、幅広いステークホルダーとのコミュニケーションを通じた相互理解の深度化による信頼関係の構築を目指しています。

ステークホルダーとのコミュニケーション

当社は、株主・投資家をはじめとするステークホルダーの皆様とさまざまな機会を通じてコミュニケーションを図っています。

IR活動としては、機関投資家やアナリスト向けに、四半期ごとの決算説明会に加え、個別面談、証券会社主催のカンファレンスや、個人投資家向けの説明会などを定期的に開催しています。また、株主・投資家情報サイトを活用して、積極的な情報発信を行っています。

社内に向けては、四半期ごとにIR担当役員による管理職向け決算説明動画を配信するとともに、広報ポータルサイトにIRコラムを定期的に配信しています。今後は、社内研修を活用したIR情報を発信する予定です。

このような対話を通じて得られた情報を取締役会などで定期的に経営層に共有して、経営や事業活動に反映するように努めています。

IR活動の主な実績 (2021年度)

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対象活動内容実績備考
株主 株主総会 1回
機関投資家、
アナリスト
決算説明会 4回 1Q・3Qは株主・投資家情報サイトに音声データを掲載(日本語のみ)、2Q・4Qは株主・投資家情報サイトに動画を掲載(日本語、英語版)
個別面談 国内143回、
海外28回
カンファレンス 3回
スモールミーティング 13回
技術スモールミーティング 1回 全個体電池の取り組みについて研究開発部門と合同で開催
個人投資家 説明会 3回 オンライン開催、株主・投資家情報サイトに動画を掲載

リスク管理

基本的な考え方

当社グループでは、企業が永続的に成長していくために、リスク管理は欠かすことができないものと考えています。リスクが顕在化することによって発生した危機事象が当社グループや社会に重大な影響を及ぼすことがないように、当社グループは基本的な考え方として次の2つが重要と考えています。

まず、リスクを予見、把握し、適切な事前措置を実施することによって、リスクの顕在化(危機事象の発生)の未然防止を行います。また、万が一、危機事象が発生した場合に損失を最小限に抑えられるように、あらかじめ有効な措置を講じておきます。当社グループでは、このような考え方を基本とした適切なリスク管理を推進する「リスク管理規則」を制定しており、従業員などの責務やリスク管理推進体制などを規定しています。

リスク管理の体制と機能

図:リスク管理の体制と機能

グループリスク管理委員会によるリスクマネジメント

グループ全体のリスク管理の推進とリスク情報の共有化を図るために、半年に1度、当社社長を委員長とし、各部門リスク管理委員長を構成員としたグループリスク管理委員会を開催しています。同委員会では、リスク管理施策の決定を行うとともに、各部門リスク管理委員長が報告したリスク管理状況に対して適切なリスク管理措置が実施されていることを確認しています。また、それぞれのリスク管理のあり方について、積極的な意見交換と情報共有を行っています。

リスク管理シートによるリスクマネジメント

各部門では、リスク管理規則に従って、「リスク管理シート」を用いたリスクマネジメントを実施しています。活動概要は次の通りです。

  • step.1:各部門や従業員によるリスクの洗い出し
  • step.2:重点的に管理するリスクを特定し、未然防止策を決定
  • step.3:各施策の実施状況の確認(毎月実施)

また、万が一、危機事象が発生した場合には、当該事象の早期解決および業務の正常化を図るとともに、根本原因を究明して真の原因に対する再発防止策や水平展開を講じています。また、毎月、リスク管理シートを用いて対応状況を確認しています。

部署ごとに作成されたリスク管理シートは部門ごとに集約され、その部門を管掌する取締役が出席するリスク管理委員会でリスク対応状況の確認や評価を行います。委員会における議論の内容は、必要に応じて各部署や従業員へフィードバックされ、リスク管理の実効性を向上させるしくみとなっています。

危機発生時の体制

リスクが顕在化する事態に備えて、経営危機事象を迅速に把握する緊急連絡網などの体制を整備しています。重大な危機事象が発生した場合には、会社損失の最小化を図るために、当社社長を委員長とし、グループリスク管理委員会の中から選定された委員を構成員とする危機管理対策本部を設置して、迅速かつ十分な注意をもって適切に対応します。

当社グループのコーポレート・ガバナンスの概要については、こちらをご参照ください。