株式会社 GSユアサ(社長:村尾 修、本社:京都市南区。以下、GSユアサ)は、2021年5月、京都事業所に2021年12月発売予定のV2Xシステムを導入しました。V2Xシステムとは、電気自動車(EV)、太陽電池、蓄電システム、EV用充放電器で構成され、EVと建物や電力系統間で電力を融通する自家消費型エネルギーシステムです。市場投入に先駆けて実証実験を行い、平常時のエネルギーマネジメントや、停電時の事業継続計画(BCP)への効果について確認します。

 世界的な脱炭素化の流れを受け、日本では2050年カーボンニュートラル達成に向けて、再生可能エネルギーの積極活用、蓄電システムの導入、自動車の電動化などの取り組みが加速しています。また近年、台風・地震・水害などの大規模自然災害が増加しており、公共施設の防災機能強化や、民間施設のBCP強化が課題となっています。

 今回導入したV2Xシステムは、平常時は再生可能エネルギーの自家消費、再生可能エネルギーを100%使用したEVへの充電、EV充電時に生じるピークデマンドの削減など、エネルギーの有効活用が可能で、CO2削減にも貢献します。また、停電時には、EVに搭載された蓄電池、太陽電池、蓄電システムを活用し、施設の照明、コンセントなどの電灯負荷や、業務用空調などの動力負荷にも電力供給を行うことが可能で、防災機能強化やBCP強化に貢献します。


 本設備の導入と実証を通じて得られた知見やデータは、今後の製品、サービス開発に活用し、お客様のニーズに応えてまいります。

実証概要

1. 再生可能エネルギーの自家消費

 平常時は太陽電池で発電した電力を自家消費します。施設を一つの需要家とみなし、休日の余剰電力は蓄電システムやEVに充電します。これにより、電力自給率や自家消費率の推移、CO2排出量削減効果などを確認します。

2. 再生可能エネルギーのモビリティへの活用

 業務用車として利用するEVへ再生可能エネルギーを100%用いて充電し、業務用車のゼロエミッション化を実現します。

3.EV充電時のピークカット

 EVを充電する際に発生するピークデマンドを、蓄電システムから放電することによってピークカットします。ピークカットには、再生可能エネルギーで蓄電システムに充電した電力を活用します。

4.BCP対応

 停電時は、EVに搭載された蓄電池と、太陽電池、蓄電システムで施設内の特定負荷をバックアップします。特定負荷は、照明、コンセントなどの電灯負荷や、業務用空調などの動力負荷に接続します。


※停電時に使用する負荷

システム概要

導入場所GSユアサ 京都事業所 西事務技術棟
導入設備太陽電池(出力:15kW)、蓄電システム(出力:20kVA,蓄電容量:35kWh)、 EV用充放電器(出力:10kW)、
エネルギーマネジメントシステム

■設備全景

■平常時の電力供給

■停電時の電力供給

[この件に関するお客様からのお問い合わせ先]
株式会社 GSユアサ 産業電池電源事業部 事業企画本部 事業戦略部
TEL 03-5402-5820
[この件に関する報道関係からのお問い合わせ先]
株式会社 GSユアサ コーポレートコミュニケーション部
TEL 075-312-1214