GSユアサグループの株式会社 ジーエス・ユアサ テクノロジー(社長:並河 芳昭、本社:京都府福知山市。以下、GYT)製の国際宇宙ステーション(以下、ISS)用リチウムイオン電池が、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川 宏、本社:東京都調布市。以下、JAXA)殿により宇宙ステーション補給機「こうのとり(以下、HTV)」9号機に搭載され、5月21日に打ち上げられる予定です。

GYT製のリチウムイオン電池は、2012年にISS用新型バッテリーへの採用が決定し、4回に分けてISSへ輸送されることが決まっています。これまでにHTV6号機~8号機に搭載され3回(2016年12月、2018年9月、2019年9月)の輸送が行われており、今回が最後の輸送です。
ISSへ輸送されたバッテリーは、宇宙飛行士の船外活動によってニッケル水素電池を使用した旧型バッテリー※1から順次取り換え作業が行われます。
また、ISSへ補給物資を運ぶHTVにも初号機からGYT製のリチウムイオン電池が採用されています※2。HTVは今回の打ち上げが最後となりますが、HTVに続く補給機として、輸送能力を増強するとともに軌道上技術実証プラットフォームや将来ミッションへの活用等を目指す新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)(以下、HTV-X)の開発が進められており、2021年度以降の打ち上げが予定されています。このHTV-XにもGYT製リチウムイオン電池が採用され※3、当社は今後もISSの運用を支えます。

GYTは1970年代の日本の宇宙開発草創期より宇宙用電池を開発・供給しており、以降、現在まで酸化銀電池、熱電池、リチウムイオン電池などの製品が日本の固体燃料ロケット・液体燃料ロケット、国内および海外の人工衛星に搭載されるなど、宇宙開発事業に寄与してきました。
今後も最高水準の性能・品質を持つ製品を社会インフラ構築に重要な役割を果たす人工衛星に搭載することにより、社会の発展に貢献してまいります。

※1 旧型バッテリーと比較し、リチウムイオン電池は高エネルギー密度であることから、ISSに48個搭載されていた旧型バッテリーと相当の能力を新型バッテリーでは半数の24個で実現することができます。
※2 HTVに搭載されているリチウムイオン電池(LMG100とLMG200)は、電気モジュールを担当されている三菱電機株式会社(社長:杉山 武史、本社:東京都千代田区)殿に認定いただいております。
※3 HTV-Xに搭載予定のリチウムイオン電池は、サービスモジュールを担当されている三菱電機株式会社殿に採用されました。

ISS用リチウムイオン電池(セル)の仕様

公称電圧(V)3.7
公称容量(Ah)148
寸法(mm)※4W130×D50×H263
質量(g)3,530
※4 寸法Hはスタッドボルト部除く

■1.ISS用リチウムイオン電池(セル)

■ 2.国際宇宙ステーション(提供:JAXA/NASA)

HTV9号機で輸送されるバッテリーに交換が予定されている位置 (S6トラス)

■3.P6トラスでのバッテリー交換作業の様子(提供:NASA )

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