株式会社 GSユアサ(社長:村尾 修、本社:京都市南区。以下、GSユアサ)のリチウムイオン蓄電システムが、チリ共和国「コクラン石炭火力発電所※1」に納入され、2017年1月に竣工しました。
このリチウムイオン蓄電システムは、株式会社 リチウムエナジー ジャパン※2(社長:奥山 良一、本社:滋賀県栗東市。以下、リチウムエナジー ジャパン)製のリチウムイオン電池セルで構築されており、最大出力は20MWです。同発電所の発電能力の一定量を瞬時に出力するための運転予備用※3として設置され、発電所を支えていきます。
なお、本件は商業ベースで世界最大級の蓄電システムに、日本製のリチウムイオン電池が採用された初めての案件です。
本件のような発電所の予備電力、あるいは再生可能エネルギーの増加に伴う電力系統の安定化対策として、大型リチウムイオン電池が担う役割は今後さらに大きくなるものと期待されております。GSユアサは長年の経験に基づく技術力とリチウムエナジー ジャパンの量産技術を融合させながら、世界的なクリーンエネルギーへのシフトを支えて参ります。
※1 チリ共和国で発電容量第二位の発電事業者であるAES Gener社(社長:Javier Giorgio、本社:チリ共和国サンティアゴ市)と三菱商事株式会社(社長:垣内 威彦、本社:東京都千代田区。以下、三菱商事)が同国北部第Ⅱ州メヒジョネス郊外に建設した発電容量net 47.2万kW / gross 53.2万kWの発電所。
※2 GSユアサおよび三菱商事が共同で運営している、大型リチウムイオン電池の開発・製造・販売会社。
※3 運転予備(Spinning Reserve): チリ共和国の一部地域では、発電事業者は発電能力の一定量を運転予備用として温存することが義務づけられている。
【リチウムイオン蓄電システムの特長】
①直流高電圧(900V級)のPCS(パワーコンディショナ)に対応。
②複数バンク(15並列、3,600セル)を一元管理する統合BMU(バッテリーマネージメントユニット)を搭載。
③複数モジュールを直列または並列に組み合わせることにより、電圧や蓄電池容量を容易にカスタマイズでき、大規模な蓄電システムの構築が可能。
④コンテナごとの独立制御により、全システムを停止せずにメンテナンスが可能。
⑤遠隔監視システムによりリチウムイオン電池の状態を常時監視。
【これまでの経緯】
同発電所の蓄電システム一式を請け負うParker Hannifin Corporation(社長:Thomas L. Williams、本社:米国オハイオ州。以下、Parker社)より、主契約者の三菱商事を通じてGSユアサが受注。
リチウムイオン電池セルはリチウムエナジー ジャパンが製造し、GSユアサがモジュールおよび蓄電池制御システムを構築したうえで、Parker社がリチウムイオン蓄電システム全体を構成し、最終的に40フィートコンテナ10本に組み込まれた形で、発電所の隣接地に設置しました。
モジュール形式 | LIM50EN-12(12セルモジュール) | |||
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電池数量(セル) | 36,000 (20モジュール直列×15並列×10コンテナ) | |||
容量(kWh) | 6,750※4 (675×10コンテナ) | |||
公称電圧(V) | 900 | |||
■リチウムイオン蓄電システムの全景
■産業用リチウムイオン電池モジュール「LIM50EN」シリーズ
■コクラン石炭火力発電所の場所
株式会社 GSユアサ 産業電池電源事業部 電源システム販売本部 東京第四営業部
新エネルギー販売グループ
TEL 03-5402-5816
[この件に関する報道関係からのお問い合わせ先]
株式会社 GSユアサ 広報・IR室
TEL 075-312-1214