株式会社 GSユアサ(社長:依田 誠、本社:京都市南区。以下、GSユアサ)のリチウムイオン電池システムは、三菱電機株式会社(社長:山西 健一郎、本社:東京都千代田区)殿が構築し、九州電力株式会社(社長:瓜生 道明、本社:福岡市中央区)殿が長崎県壱岐市にある芦辺変電所で行う、離島の系統周波数変動を蓄電池により抑制する最適制御手法検討等の実証試験設備(以下、実証試験設備)に採用されました。実証試験設備は2013年3月より順調に稼働しており、同試験は2014年度まで行われる予定です。リチウムイオン電池システムは、風力や太陽光などの自然エネルギーからの発電量が急変した際に、充放電を行うことにより電力系統に流れる電力量を安定化させ、周波数の変動を抑制する役割を担います。

今回採用されたリチウムイオン電池システムは、LIM50Eモジュールを96モジュール収納した蓄電池盤8ユニットで構成されており、横幅10m×奥行7mの蓄電池収納建屋2棟に設置されています。

自然エネルギーの安定供給に関しては、日本国内のみならず世界中で実証試験や導入に対する検討が進められています。リチウムイオン電池は安定供給に関わるキーデバイスと認識されており、今後自然エネルギーの導入拡大には、すぐれた性能を持つ安全で安価なリチウムイオン電池が必要となります。GSユアサは本件をはじめとした実証試験などに積極的に協力し、すぐれた蓄電池を供給することにより自然エネルギーの有効利用を通じて環境負荷低減に貢献してまいります。

リチウムイオン電池システムの特長

①直流高電圧(800V級)のPCS(パワーコンディショナ)に対応。

②複数バンク(6並列、1152セル)を一元管理する統合BMU(バッテリーマネージメントユニット)を搭載。

③GSユアサの従来システムと比較して、体積12%減、質量17%減の小型・軽量化を実現。

④複数モジュールを直列ならびに並列に組み合わせることにより、電圧や蓄電容量のカスタマイズが容易。

⑤1ユニット毎の独立制御により、システムを停止せずにメンテナンスが可能。

⑥蓄電池と遮断器等電気部品は鋼板で完全区画(火災予防条例適合キュービクルに収納)。

⑦制御電源の冗長化、多重のシステム保護制御を採用。

リチウムイオン電池システムの概要
モジュール形式 LIM50E-12G2-C2 (12セルモジュール)
電池数量 9216セル (16モジュール直列×6並列×8ユニット)
容量(kWh) 1616 (202×8ユニット)
公称電圧(V) 710.4
寸法(mm) W4800×D850×H2050 (1ユニットあたり)
質量(約kg) 4600 (1ユニットあたり)
冷却方式 自冷

■【写真】 1. リチウムイオン電池モジュール「LIM50E-12G2-C2(12セルモジュール)」 

■2. リチウムイオン電池システム

■3. 蓄電池収納建屋

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