「乗り心地はどうだったかな。走りは静かでしたね。クゥクゥ…という音はしていましたが、あれは車輪の音か、もしかしたらモーター音だったかもしれません。そういえば、走っている途中で止まることもあったようです。家の前が坂道で、出かける時は下りなのでスムーズですが、帰りは大変だったんじゃないでしょうか。ただ、ドライブをするというよりも、子どもの頃の私にとってこの車は父の帰宅の目印でした。 友だちと遊んでいて夕方遅くなった時などは、家に入る前に車庫を見て車の有無を確認したものです(笑)」。
「デトロイト号」のすべての修理が終了するのは3月。その時には、姿形だけではなく走りの感覚まで再現する計画です。当時の走りを体験しておられる島津さんにも、ぜひ乗っていただきたい。「そのためにも完璧に修理しなければ」。これから始まる修復作業を前に、プロジェクトのスタッフたちは決意を新たにするのでした。 | |||||||||||||||
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