株式会社 GSユアサ(社長:依田 誠、本社:京都市南区。以下、GSユアサ)が製造・販売している蓄電池システムが、東日本旅客鉄道株式会社(社長:冨田 哲郎、本社:東京都渋谷区。以下、JR東日本)殿が開発した新型車両「EV-E301系 愛称名:ACCUM(アキュム)」に採用されました。

本蓄電池システムは、鉄道用途(架線レス鉄道車両、鉄道用電力貯蔵装置、ディーゼルハイブリッド車両など)をはじめとする産業用大容量システムなどを目的に開発され、これまでに数多くの納入実績がある産業用リチウムイオン電池モジュール「LIM30H-8A」を活用したシステムで、放熱や充放電制御などの面で本用途に最適なシステムです。

ACCUMは、2014年3月15日よりJR東日本東北本線および烏山線の宇都宮~烏山間で営業運転を行っており、非電化区間である宝積寺~烏山間を蓄電池駆動により走行します。電化区間である宇都宮~宝積寺間では、架線からの電力で走行しながら蓄電池への充電を行い、非電化区間では宝積寺駅・烏山駅停車中に充電設備より蓄電池への充電を行っています。また、電化区間、非電化区間両方において、回生ブレーキにより発生する電力を蓄電池に吸収し有効利用することができる、環境に配慮したシステムです。

GSユアサの産業用リチウムイオン電池は航空・宇宙などの特殊用途、無人搬送車や電力貯蔵システムなどの産業用途などですでに実用化されています。需要拡大が進んでいる電気自動車やハイブリッド自動車などへの車載用電池とともに、産業分野でも順次用途拡大を図り、環境負荷低減に貢献してまいります。

【「LIM30H-8A」の特長】

1.大電流充放電性能が優れている

最大許容電流600A、連続通電電流100Aでの安定した充放電性能を実現。

2.内部抵抗を低減することにより長寿命性能を実現

3.軽量・コンパクト

モジュール外装部品に樹脂材料を使うことで小型・軽量化を実現。また、樹脂材料本来の高い絶縁性により、高電圧での使用を実現。

4.強制空冷式にも対応可能

モジュール本体に冷却風を導入することにより、効率的な空冷が可能。

5.電池の状態を常時監視する電池監視装置を標準装備

従来の産業用リチウムイオン電池で実績のある電池監視装置を標準装備。全セル電圧およびモジュール温度を常時監視し、また電池の情報を充電器やシステムに送信する機能を持つ。

また、当社製BMU(バッテリー・マネジメント・ユニット)の装着により、外部へのデータ出力も可能。

LIM30H-8A」の仕様
外形寸法(mm) W:231×D:389×H:147 質量(kg) 約20
公称電圧(V) 28.8 1セル当たりの
公称電圧(V)
3.6
公称容量(Ah) 30 動作電圧範囲(V) 23.2~33.2
最大許容電流(A) 600 連続通電電流(A) 100
使用温度範囲(℃) 0~45 監視装置 全セル電圧監視
モジュール温度監視
EV-E301へ搭載された蓄電池の仕様
構成 LIM30H-8A 22直列 10並列
電力量(kWh) 190
公称電圧(V) 633.6

■【写真】 1.産業用リチウムイオン電池モジュール「LIM30H-8A」

■2.JR東日本殿が開発された「EV-E301系 愛称名:ACCUM」

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株式会社 GSユアサ 産業電池電源事業部 新エネルギー営業部 TEL 03-5402-5816
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