
リチウムイオン電池開発・
知財・リチウムイオン電池事業 担当

研究開発・鉛電池開発・
自動車電池事業(生産)担当

産業電池電源事業副担当

内部統制・人事・総務・リスク管理・
情報システム担当
※掲載内容についてはインタビュー当時(2022年)のものです。
電池市場の将来は?
- 奥山さん
- 欧州や中国では、すでにガソリンエンジン車から、電気自動車への急速な変化が起こっています。自動車の電動化の流れは確実に日本にやってきます。自動車用のリチウムイオン電池は間違いなく伸びるでしょう。もう一つ、世界的な動きとして再生可能エネルギーの活用推進があります。太陽光発電や風力発電は、エネルギーを起こせるときと起こせないときが出てくるため、バランスを調整するためにリチウムイオン電池が使用されます。電池の需要は年々高まると考えています。
- 大前さん
- これからの電池はリチウムイオン電池、という印象をもたれる方もいらっしゃるかもしれませんが、現在当社の売上の6~7割は鉛蓄電池です。鉛蓄電池は、自動車のエンジン始動に欠かせません。自動車一台に必ず一つ以上、鉛蓄電池が搭載されています。電気自動車であっても、システム起動用として鉛蓄電池かリチウムイオン電池どちらかは必ず搭載されます。もう少し具体的に言うと、世界では年間1億台の自動車が製造されています。自動車用の鉛蓄電池は年間5億個販売されています。1億個は新車へ搭載され、残りの4億個は補修用バッテリーとして流通します。自動車においては、補修需要が常にあるということも大きく、急に全新車が電気自動車になったとしても、そこから最低十何年かは鉛蓄電池の補修需要があります。社会を支える電池として、鉛電池はまだまだ活躍するでしょう。

- 阿部さん
- 自動車の話はわかりやすいですよね。私は産業用電池から見た将来をお話します。産業用電池ってなんですか?と聞かれて、即座に答えられる人は少ないと思いますが、大きくは2つに分けられます。ひとつは、非常用電池。バックアップに使われる電池のことです。電源が落ちても止まってはいけないものはたくさんあります。特にインフラ関連、たとえば水処理施設や発電所、データセンターや携帯電話の基地局などが挙げられます。あらゆるところに何かあったときのためのバックアップ用電源として鉛蓄電池が置いてあります。もうひとつは、常用電池。非常用の反対です。奥山さんの話でもありましたが、再生可能エネルギーを使用するためには、発電するときに足りないエネルギーの補完をする電池や電力系統を安定化させる電池が必要です。再生可能エネルギーへの移行は世界規模の流れであり、日本の国策でもあるので、今後の電池の需要はますます高まると考えられます。
海外の大手IT企業が日本にデータセンターを作るというニュースもありましたが、そこにも大量の鉛蓄電池がバックアップ用として入るでしょう。さらに、再生可能エネルギーの導入が増えれば増えるほど必然的に常用電池の需要も高まっていきます。

- 福岡さん
- 鉛電池だからこそできることはまだまだ多くありますよね。リサイクルが100%確立している優秀な電池なので、あと30年は確実に貢献できるでしょう。リチウムイオン電池は、自動車用途において注目されており、実際に市場も伸びていますが、当社では自動車用途以外でもリチウムイオン電池への期待はますます無限に拡がっていくものと考えており、身近な暮らしの場面~最先端のハイテク用途まで、あらゆる分野で社会に貢献できるように開発を進めています。
GSユアサの強みは?
- 奥山さん
- 今まで積み上げてきたお客様との関係性です。ほとんどの日本の自動車メーカーや電力会社とお付き合いがありますし、それだけの信頼を培ってきた確かな技術力と、人材の力が何より力になっていると思っています。
- 福岡さん
- やっぱり一番は人材の力ですよね。当社の社員は誠実に自分の責任をやり遂げる質実剛健な方が多いです。困難な時期を乗り越えてこられたのは、まさしく社員の力です。また、製品を購入して頂くだけではなく、その後も安心して使っていただける充実したサービス体制を持っていることも支持されています。これまで長年にわたり培ってきたお客様からの信頼も大きな財産です。電池とともに当社の将来も明るいと考えています。
- 大前さん
- 日本電池とユアサコーポレーションが統合し、両社の100年の歴史が合わさりました。200年の歴史の積み上げのようなものです。人と技術が融合し優れた創造力が生み出されています。海外拠点も倍になり、駐在員や技術職の人間の行き来により国際色豊かなことも会社全体の底上げになっています。鉛蓄電池とリチウムイオン電池のどちらも先進的な技術を持っていることも、我々の強みですね。

- 奥山さん
- 皆さんのおっしゃられることと重なりますが、統合があったからこそ、今があります。統合がなかったら、どちらの会社もリチウムイオン電池事業がここまで拡大していなかったでしょう。両社の技術と優秀な人材がうまく融合したから、GSユアサの会社規模でもリチウムイオン電池の開発にしっかり取り組んでいくことができる環境があり、この点は当社の誇れる部分です。
GSユアサが目指す未来は?
- 阿部さん
- 海外拠点の規模を大きくしていくことです。北米や南米、アフリカなどまだ我々にとって未開の地が多くあります。電池の需要はどこであっても必ずあります。リソースの配分や、どのようにその地域に特化するのかを戦略的に考えて展開する予定です。私たちは誰よりも電池の根っこを知っているという自負もあります。お客様からも「とりあえず電池ならGSユアサ」とお声をかけていただいています。そして使っていただいたら、「やっぱりGSユアサ」となり、使い続けたら「絶対GSユアサ」となりますから。電池に関しては私たちがスタートで、市場が変わっても、技術力・営業力・サポート力があるので、海外事業に横展開できる未来が楽しみです。
- 奥山さん
- リチウムイオン電池の進化形が、技術的には一つの目標です。国内外問わず熾烈な開発競争となっている新技術の電池を、一番長く電池に携わってきたGSユアサから世に送り出したいですね。

これからの電池技術について
- 大前さん
- 世界的に進化系電池の開発競争が活発になっています。そのひとつである当社の全固体電池は、NEDOグリーンイノベーション基金事業「次世代蓄電池の開発プロジェクト」に採択され、開発スピードを加速させています。このプロジェクトは、独自開発した高性能な固体電解質を活用し、従来の蓄電池を凌駕する性能を備えた全固体電池の早期の実用化を目指すものです。画期的な電池を生み出すべく、この瞬間も研究開発が進められています。
- 奥山さん
- 世界で初めての量産化された電気自動車(BEV)にリチウムイオン電池が搭載された当社は、その後も基礎研究・開発を続けてきました。現在は2035年ぐらいまでの主役であるハイブリッド自動車(HEV)とプラグインハイブリッド自動車(PHEV)用電池に力を入れていますが、今後はその先の将来に向けて、次世代電気自動車(BEV)用電池の研究開発にも注力する予定です。すでに次世代のコンセプト・開発チームを作って開発を進めており、お客様やサプライヤーの協力もいただきながら新技術の次世代電池をつくり上げたいと思っています。

- 阿部さん
- 産業分野では、常用市場向けにいかにパフォーマンスの良いリチウムイオン電池を開発するかが肝になります。その先進的な電池や電源に加えて大切なのが、ソフト面である遠隔監視のネットワークと、いつでも現場に駆けつけることのできるフットワークです。電池技術を向上させるのはもちろんですが、お客様が直面している問題解決のために、ハード面・ソフト面・フットワークすべてが、これからも欠かせないですね。
D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)についての取り組みは?
- 福岡さん
- 当社は現場こそが価値を生み出す源泉であると考えており、現場力を向上するために「自律型人材」の育成に力を入れてきました。女性の活躍推進、働き方改革といった施策も強力に推進しています。VUCAとも呼ばれる変化の激しい時代に対応するためには、多様性のある人材に活躍して頂くことは欠かせません。新しいアイデアや考え方を受け入れ、生産性の向上とイノベーションの創出を生み出すべく、社員が生き生きと面白く仕事をすることができる職場つくりをめざしています。それが組織力を高めることに繋がると考えて活動しています。
- 阿部さん
- 自分が働きやすい会社かどうかはこれからますます大事になっていくでしょう。会社の将来性があっても、自分自身が仕事をしんどいと思っていると意味がありません。私たちの若いときと今では、モノの見方や価値観が違います。古い考えに固執せず、柔軟に変化することが、会社の発展に通じると考えています。
- 奥山さん
- お互いを尊重し、サポートやカバーを自然としあう風土がありますよね。
- 大前さん
- 多様性が許容されている会社だと思います。
- 福岡さん
- 働き方改革もあっという間に浸透しましたし、男性の開発職で、ものすごく忙しい現場であってもしっかり育休を取られていて、周りが受け入れている。さすが当社の社員さんたちだなと思います(笑)。



学生へのメッセージ
- 奥山さん
- 一生のうち、大きな割合を占めるのが仕事です。会社の事業が立派だという点も一つの見方ですが、その会社で自分は何ができるのか、会社から何を得ることができるのか、の方が人生においては大事ではないでしょうか。そういう観点でもGSユアサは、活躍の場が多く、たくさんのことを得ることができる会社だと保証します。
- 大前さん
- フィールドは日本だけではありません。新しいものに抵抗なく興味を持てる人であれば、電池の知識はなくても大丈夫です。自分はこれが好きと言えるものや個性があれば、人生をかける何かが見つかる会社だと思いますので、ぜひいらしてください。
- 阿部さん
- 「とりあえずGSユアサ」の気持ちで入社してみると、「やっぱりGSユアサ」になって、いずれ「絶対GSユアサ」になります。これは私のパターンです(笑)。近年は業務の幅も広がってきており、お客様と一緒に事業採算モデルを考えなければならない案件も多くなってきています。変化に対応できる人、統計やデジタル的な考え方ができる人、何事にも興味を持てる人は活躍できると思います。
- 福岡さん
- 「自律型人材」になりたい人、もしくは自分がそうであると思う人、それに加えて、リーダーシップを発揮できる人やチームプレーができる人も大歓迎です。チームの力で一緒に未来を築いていきましょう。