2004年4月19日


大電流放電に適した4Ahのハイパワーリチウムイオン電池「LM4」を開発


  株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーションの事業子会社である日本電池株式会社(社長:村上 晨一郎、京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町1)は、大電流放電に適したハイパワーリチウムイオン電池の開発に成功しました。

  現在、ハイパワーの要求される用途では、ニッケル−カドミウム電池や大きな容量の鉛電池が広く使用されています。一方、従来のリチウムイオン電池は、大電流放電時の電圧低下が大きく、このような用途にはほとんど使用されていませんでした。当社は、大形の産業用リチウムイオン電池やHEV用リチウムイオン電池用として大電流放電可能な電池の開発を行なってまいりましたが、今回これらの技術を発展させ、汎用用途に使用できる高容量4Ahのハイパワーリチウムイオン電池「LM4」の開発に成功しました。
             
  この電池を使用することで、鉛電池、ニッケル−カドミウム電池を用いている機器の性能を飛躍的に向上させることができ、また、従来は適用できなかった大形の電動機器のコードレス化を可能とします。さらに、従来、鉛電池を用いていた機器に適用すれば、大幅な軽量化が図れます。

  当社では、この新型電池をバッテリーパック化し、同時に開発した専用充電器と組み合わせて各種用途に展開してまいります。なお、本電池はすでにマックス株式会社にプロ用電動工具のバッテリーとしてご採用をご検討いただいております。

  今後は、この電池を産業用ロボット、アシスト自転車、産業用電動機器、その他新用途等に積極的に展開して行くとともに、さらに性能を向上させてHEV用のバッテリーにも適用すべく開発を進めてまいります。

【特長】
  
1.大電流放電が可能
        20Aの連続放電が可能で、短時間なら80A以上の放電が可能であり、大きなパワーを瞬時に取り出せ、
       機器の性能を飛躍的に向上させることができる。また、従来のリチウムイオン電池では適用できなかった
       重負荷機器にも使用することができる。

   
2.急速充電が可能
          開発した専用充電器を用いることで、約30分で電池容量の90%を充電でき、充放電サイクルを繰り
       返す用途に最適である。

   
3.優れた充放電サイクル寿命
       700サイクル以上の優れた寿命性能を有する。

   
4.軽量かつ高エネルギー密度
          同容量のニカド電池の約2/5以下という軽量化を実現し、機器の軽量化に貢献する。

   
5.メモリー効果がない
          ニカド電池やニッケル水素電池で見られるようなメモリー効果がなく、継ぎ足し充電をすることが可能。
       また、面倒なリフレッシュ放電を行う必要がない。

【仕様(バッテリーパックの一例)】
型名LM4-6
構成6セル直列パック
公称容量4Ah
公称電圧22.8V
重量約0.9kg
エネルギー密度101Wh/kg、120Wh/l
外形寸法厚み40mm 幅75mm 長さ250mm

【上記バッテリーパックの外観図】

   

                 

[この件に関する当社担当部門]
 株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション 広報室     TEL 075−253−3805