2002年07月09日

世界初の

15分で充電できる革新的な高容量ニッケル水素電池の
共同開発のご案内

 YUASA(社長 大坪愛雄)は、米国Rayovac社*1 との共同により、世界初の、15分で充電できる革新的な高容量ニッケル水素電池を開発いたしましたので、ご案内申し上げます。

 これまでのニッケル水素電池は充電に約1時間を要しましたが、今回開発した電池は、Rayovac社の革新的なI-C3(In-Cell Charge Control)技術と当社独自のニッケル水素電池の固有技術とを融合することによって、所要時間わずか15分という超急速充電と高容量化を実現しました。この優れた性能を持つ電池は、当社と台湾のデルタ電子社*2 の共同出資会社でありますユアサデルタテクノロジー社*3 の中国天津工場で生産し、Rayovac社が全世界に向けて販売いたします。発売時期および機種は、2003年の後半に、AA2000(単3)タイプ、AAA850(単4)タイプの2機種の発売を予定しております。

 充電時間が大幅に短縮できたことにより、使用時の利便性が向上し、従来のニッケル水素電池の代替だけでなく、使い捨て乾電池などの一次電池の代替にも最適であり、近年の省資源化の流れに沿った電池と考えており、用途についても、ハイテク電子機器(デジタルスチルカメラ、MP3プレーヤー、携帯電話等)用電源や電動工具、玩具、電動自転車、PDA等の電源としてだけでなく、一次電池が使用されてきた分野への拡大を期待しております。

*1: Rayovac社(CEO:David A.Jones)は、小型一次電池および二次電池、ならびに照明装置分野で世界をリードしている会社であります。
*2: デルタ電子社(董事長:鄭 崇華)は、1971年に設立し、OEM/ODM顧客と卸売り業者に電子部品および電子製品を提供して、世界をリードしている会社です。
*3: ユアサデルタテクノロジー社(総経理:平石隆久)は、当社とデルタ電子社とのジョイントベンチャーで、1998年から中国の天津でニッケル水素電池を生産しています。従業員数は約1,000名で、生産能力は年間約1億5千万セルであります。デルタ電子社が製造している最新の生産設備を使用し、当社の優れたニッケル水素電池の固有技術を導入して、日本・台湾共同で経営を行っています。

《解説》

1. 当社のニッケル水素電池技術について
 当社は、地球環境問題への取り組みの一環として、電気自動車やハイブリッド車用のニッケル水素電池を開発し、環境に優しく、高温性能に優れた電極技術を世界で始めて確立するなど、ニッケル水素電池に関する数々の固有技術を保有しています。
 今回共同開発した15分で充電可能な民生用途向けの小型高容量ニッケル水素電池は、Rayovac社のI-C3技術に加えて、当社独自の電池技術、特に、高容量化を可能とする新正極活物質と高温性能を向上させる画期的な添加剤を適用するなどにより、初めて実現することができました。
2. Rayovac社のI-C3(In-Cell Charge Control)技術について
 従来の充電方法では、充電器側で充電を制御する関係上、個々に使用実績が異なるニッケル水素電池を15分という短時間で超急速充電することは不可能でした。しかし、このRayovac社のI-C3技術は、充電制御装置を個々の電池内部に組み込み、個々の電池の充電状態をモニターできるため、超急速充電が可能となり、かつ、安全性および信頼性も向上しています。また、このRayovac社のI-C3技術を世界で初めて搭載したニッケル水素電池は、従来のニッケル水素電池と比較して、2倍以上のサイクル寿命を有し、1,000サイクルまでの充放電が可能となり、また、用途によっては、1回の充電で、アルカリ乾電池より長い時間使用することができます。



以上

本件に関するお問い合わせは、下記までお願いします。

YUASA
本社広報担当 宮部、今川
0726-86-6183