直接メタノール型燃料電池スタック開発のご案内

 YUASA(社長 大坪 愛雄)は、液体メタノールを燃料に用いて水素ガスに改質することなく、直接発電ができる直接メタノール型燃料電池(DMFC)の研究開発を行ってまいりましたが、このほど、燃料電池スタックの開発に成功いたしましたので、ご案内申し上げます。
 今回開発いたしました燃料電池スタックは、セパレータ板に独自の流路構造を、また、電極には高活性触媒を効率よく機能させる構造を、それぞれ開発したことにより、当社従来品に比べ、電池特性の大幅な向上が図れ、触媒量も1/3に減らすことができました。その結果、燃料に3%メタノール水溶液を、酸化剤に空気を用いて、作動温度90℃の条件において、業界最高水準の最大出力200Wを達成することができました
 今後、この燃料電池スタックを用いて、本年10月を目途に燃料電池システムを構築し、実証試験を行い、2003年度の商品化を目指して取り組んでまいります。
 詳細につきましては、下記のとおりですので、よろしくお取り計らい下さいますようお願い申し上げます。
 なお、今回の開発は、経済産業省から地球環境保全関係産業技術開発促進費補助金を受け、(財)国際環境技術移転研究センター(ICETT:理事長 北川 正恭 氏)との共同研究として、平成11年度から行ってきた研究開発の成果であります。


1.燃料電池スタックの内容
 (1)最大出力200W
 (2)電池電圧12V
 (3)最大電流17A
 (4)スタック数34セル
 (5)燃料3%メタノール水溶液
 (6)酸化剤空気
 (7)作動温度90℃
 (8)寸法L336 X W120 X H132(mm)

2.特長
 (1)液体燃料を用いて直接発電するため、液体メタノールを水素ガスに改質する装置(改質器)や一酸化炭素除去装置などが不要であり、システムがシンプルである
 (2)燃料が液体であるため、その供給、貯蓄が容易である。
 (3)低濃度のメタノール水溶液を燃料とするため、安全である。

3.主な用途
 ・家庭用小型分散電源
 ・可般式携帯電源
 ・無電化地域向け分散型電源
以上

本件に関するお問い合わせは、下記までお願いします。

YUASA
本社広報担当 福田、今川
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