1997年3月24日

高速伝送および低消費電力化を図った
「デ−タ伝送用特定小電力無線機GRX200」を開発


 日本電池株式会社(社長 根岸 茂)は、高性能化および低消費電力化を図った 「デ−タ伝送用特定小電力無線機GRX200」を開発し、平成9年3月25日 から発売いたします。
 当社は、オフィスや生産工程などにおいて配線不要の無線機によって容易に情 報伝送の行えるハンディな「デ−タ伝送用特定小電力無線機GRX100」を一 昨年夏に開発、発売しております。今回の新製品は、これまでの市場の声を反映 して、通信の高速化を図るとともに、携帯型としても設置型としても使える多目 的対応の無線機といたしました。これは独自のRF(復変調)モジュールを開発 したことで大幅な機能アップと電送品質の向上を達成したものです。
 すなわち、この新型無線機は、新たに独自設計の回路をもつ専用タイプのRF モジュールを開発したことにより、無線機の低消費電力化(従来の3分の1)を 実現し、電池駆動の場合はより長時間の稼動を可能にしております。また、屋外 使用時には太陽電池(オプション)などの電源入力も可能で、ACアダプターを 含む多様な電源に対応できるもので、無線機の用途を拡大いたしました。
 とくに伝送速度は、従来の無線機「GRX100」と同様に、400MHz帯 特定小電力無線機では業界最高の伝送速度9600bps(ビット/秒)を継承 しながら、新RF技術によりデ−タ伝送に不可欠な、NRZ(Non-Return-Zero) 化符号デ−タの2Kバイト連送を可能とし、大幅な電送品質の向上と安定化を実現 しております。さらにデータセキュリティについても、ユーザ個別の暗号化機能 により多重化を図ることで信頼性を高めております。こうした高性能化にもかか わらず、価格水準は従来どおりとするなど、コストパーフォーマンスに優れた商 品としております。

 無線機を利用したデ−タ伝送は、通常の有線方式が施工のコストアップ、配線 変更の煩雑さや配線の洪水による見苦しさを伴うのに対し、情報機器のコ−ドレ ス化の手段として評価され、産業のさまざまな分野で利用されております。 無線機種の選択は一般的に、伝送速度、伝送距離、電波の回り込み性能により決 定されます。最近注目されるスペクトラム拡散(SS)無線は、伝送速度が早く、 耐ノイズ性能のよさなどの長所をもつ反面、コストが高い、電波の直進性が強く、 回り込みが少ないなどの欠点もあります。そこで、比較的コストが安価で、回り 込み性能(*電波には、伝播力の強い直進波、減衰しやすい反射波、そして空中 反射する回り込み波があり、無線通信ではこれが最も有効)に優れた特定小電力 無線の用途が拡大しております。現実の用途として、デ−タ量の少なくてすむ分 野も多くあり、特定小電力無線の利用範囲はさらに拡大すると考えております。



[ 用 途 ]

(1) オフィス、生産ライン、物流倉庫などの有線連続データ端末の無線化
(2) 測定機器の遠隔モニター間無線通信ユニット
(3) メッセージ・サイン表示機器の遠隔操作用無線通信ユニット


[ 特 長 ]

1.NRZ化符号2Kバイトの連続送信の高速化

 今回当社が独自に開発したRF(復変調)ユニットの採用により、無線間通信でエラー要因となりがちな直流成分を含んだ2Kバイトの同一符号の2進数データ を連続送信するためのパルスの自動補正回路技術を付加し、これを可能にした。この結果、データ伝送の高速化と信頼性が一段と向上した。


2.2種類のエラー訂正機能によりデータ伝送の信頼性向上

 無線間データエラー検出による自動再送機能に加え、符号化方式によるエラー訂正回路を搭載。2重のエラー訂正機能によりデータ伝送品質を向上させた。


3.5段階電界強度モニター機能で設置環境を容易に選定

 無線電波の届く通信可能なエリアを確認できる電界強度モニターランプを端末に備え、5個のLEDで5段階表示できる。 (無線機本体による選定は3段階)


4.ACアダプター、バッテリー、太陽電池のマルチ電源入力対応

 標準のACアダプターでの利用のほか、オプションで専用充電式電池(鉛、ニカド、リチウム電池)ユニットおよび太陽電池ユニットを用意している。


5.ハード、ソフトを駆使した秘話機能によりセキュリティーは万全

 スクランブル機能に加えて、ユーザ個別の暗号化符号を登録できるソフト暗号化機能を搭載し、無線間データの外部漏洩を防止する。


6.AFC機能により、無線機間の温度差および個々のバラツキを自動補正


7.無線免許不要

 特定小電力無線局(RCR STD-17A)に準拠しており、使用免許は不要。



[ 仕 様 ]

1.無線部

(1) 無線型式特定小電力データ伝送無線局(RCR STD-17A)
(2) 使用周波数429.8125MHz〜449.825MHz
(3) チャンネル間隔12.5KHz
(4) チャンネル数10ch
(5) 伝送(変調)速度最大9600bps
(6) 通信方式半復信
(7) 空中線電力10mW以下
(8) 変調方式2値FSK変調
(9) 回線制御方式マルチチャネル方式(MCA方式)/固定チャネル方式
(10) 伝送時間制御送信40秒以内、休止2秒以上

2.端末間インターフェース部

(1) インターフェース規格RS-232C準拠
(2) 同期方式調歩同期方式
(3) 通信速度300〜19200bps
(4) データ長8bit
(5) ストップビット1bit
(6) パリティNONE
(7) フロー制御RS-CS制御・X on-X off制御

3.外形寸法

139(D) x 90(W) x 35(H) mm *アンテナは含まず。Hにはゴム足含む

4.重 量

約 420g

5.塗装色

白(マンセル5Y8.5/1相当) *フロントパネルシートは除く

6.環 境

(1) 使用温度0〜40℃
(2) 使用湿度20〜80%RH(結露しないこと)
(3) 保存温度-10〜60℃
(4) 保存湿度10〜80%RH

[ メーカー希望小売価格 ]  99,800円

[ 年間販売目標 ]  5,000台

[ 写 真 ]

「特定小電力無線機GRX200」




[ この製品に関する当社担当部門 ]
特機事業部製造部技術4課  TEL 075-316-3190

[ 発 表 ]
3月24日(月)

AM11:00

京都経済記者クラブ

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