1997年1月29日 |
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日本電池株式会社(社長 根岸 茂)は、このたび産業用UPS(交流無停電電源装置)の中核
商品として、新たに三相出力タイプの「BIROS−FT」シリーズ5機種を開発し、1月
30日から発売いたします。 当社は蓄電池技術のノウハウを駆使し、蓄電池(Battery)とインバータ(Inverter)および 整流器(Rectifier)を最適に(Optimum)組み合わせた装置(System)を「BIROSシリーズ」 の商標で小型汎用品から大型受注品まで幅広い分野に提供し、ご好評をいただいております。 今回開発した「BIROS−FT」シリーズは、昨年10月発売の産業用単相出力タイプ(BIR OS−FSシリーズ)に続いて、産業用UPSのラインナップを図ったもので、三相出力タイプ 30kVA〜150kVAの5機種をシリーズ化しました。本シリーズは総合効率を大幅にアップ し、当社従来品と比べ体積比で40%に、重量比で60%に小型・軽量化しております。 情報機器を中心に近年のエレクトロニクス応用システムの進展は著しいものがありますが、 その反面、停電や電圧低下による運転停止は大きな混乱を引き起こす可能性を秘めており、 これら不測事態を回避し、機器の円滑な運営をサポートするUPSはますます重要性を帯びて おります。一方で、製造ライン、情報通信、医療管理、防災管理などのコンピュータ制御シス テムにおけるUPSへのニーズは多様化しており、省スペースや性能の良さはもとより、入出力 の仕様、外形寸法、塗装色などの各種仕様に柔軟に対応可能な商品シリーズが望まれていること から、このたびの新製品ではこれらの顧客ニーズを配慮した設計としました。 すなわち、UPS専用電池の追加による適合蓄電池の充実と、仕様により大きく変化する 入出力部とUPS本体部の分離によって、より柔軟な顧客対応を図るとともに、最新のIGBT (絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の採用による変換効率の向上と、回路構成の見直し および高密度実装により、さらなる小型・軽量化を図りました。また、入力電流の高調波削減 と高力率制御などによって入力容量を低減したほか、瞬時値電圧制御により出力電圧の安定化 を図りました。さらに、長時間バックアップを目的とした自家用発電機とのカップリングにおいて、 自家用発電機の容量が小さい場合、UPSの入力容量を制限し、その時の直流電力の不足分は 蓄電池が補うことで、負荷へはUPSを介した安定な電力を供給できる設計としております。 [ 特 長 ] 1.各種仕様にフレキシブルに対応 入出力盤、UPS盤、蓄電池盤の三面構成を標準とし、UPSの基本部分を除く入出力部 の各種仕様、外観構造仕様、カップリング電池の選択など、多様化する顧客ニーズに柔軟に 対応できるフレキシブルな設計とした。 2.高効率・小型・軽量化を実現 主回路構成の見直しと蓄電池・インバータ・整流器の理想的なカップリングの追求により 総合効率の大幅な向上を達成し、また主回路の簡素化と高密度実装設計により、当社従来 品に比べ体積比で約40%、重量比で約60%に小型・軽量化(150kVAの場合)した。 3.省エネタイプの、商用電源に優しい入力特性 UPSの入力電流を瞬時値電流制御によって正弦波化し高調波成分を削減したことによ り、入力容量(kVA)の大幅低減を図り、ランニングコストを削減。また、ソフトスタート制 御によって起動時における入力電流の突入を抑え、商用電源に優しい入力特性とした。 4.負荷への安定した電力供給 直流から交流に変換するインバータ部においては、瞬時値電圧制御の採用により、ピーク 電流の大きいコンピュータなどの負荷に対しても、出力電圧を常に正弦波に保つとともに、 負荷急変に対しても電圧変動の少ない安定した交流電力を供給可能にした。また、過負荷 耐量を大きくしたことで軽度の過負荷はインバータからの給電を継続し、商用電源への不要 な切り換えをおさえている。 5.インテリジェントパネルで操作性・保守性・安全性を向上 大型液晶画面の採用により表示情報量を増やすとともにパネルデザインを一新。システムの 状態や各部計測データの表示とともに、UPSの起動・停止・メンテナンス操作の手順を自動 表示するガイダンス機能、さらには故障監視項目および履歴表示の機能を充実させたほか、 残時間表示や蓄電池寿命予告機能などにより、操作性・保守性・安全性を向上させた。 6.自家用発電機との組合せで、長時間バックアップに対応 自家用発電機とのカップリングを考慮したUPS入力電流の高調波対策と入力容量制限 機能(パワーデマンド機能)を標準装備し、発電機との組み合わせを容易にしたことにより、 蓄電池のみの短時間バックアップから、発電機を併用した長時間バックアップまで、いろ いろな停電パターンに対応したシステムの構築が可能である。 7.豊富な品揃えのシール形蓄電池に適合 シール形鉛蓄電池(MSE,SUB,SUC)およびシール形アルカリ蓄電池(SN)を標準 適合品とし、要求性能にあった蓄電池を豊富な機種から選択できるようにした。 [ 用 途 ] 医療管理システム、防災管理システム、コンピュータシステム、 インテリジェントビルシステム [ 希望販売価格 ]
[ 販売台数 ] 初年度 50台 [ 発 売 日 ] 1997年1月30日 [ 写 真 ] 産業用UPS「BIROS-FTシリーズ」(150kVA) ![]() [ この製品に関する当社担当部門 ]
[ 発表 ]
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仕様 | 備考 | |||||||
項 目 |
型式 | F4030T | F4050T | F4075T | F4100T | F4150T | ||
容量 | kVA/kW | 30/27 | 50/45 | 75/67.5 | 100/90 | 150/135 | ||
形 式 |
運転方式 | 商用同期常時インバータ給電方式 | ||||||
順変換方式 | トランジスタ・フルブリッジ | |||||||
逆変換方式 | トランジスタ・フルブリッジ | |||||||
冷却方式 | 強制風冷および強制換気 | |||||||
定格 | 連続 | |||||||
交 流 入 力 |
相数 | 三相3線 | ||||||
定格電圧 | V | 200/210 | 220V,400V系も対応 | |||||
電圧変動範囲 | % | ±10% | ||||||
定格周波数 | Hz | 50/60 | ||||||
周波数変動範囲 | %以内 | ±5 | ||||||
入力力率 | 約1 | 定格運転時 | ||||||
電流波形歪率 | %以内 | 5 | 定格運転時 | |||||
入力容量 | kVA | 37/33 | 59/53 | 88/79 | 113/104 | 163/155 | 最大入力 kVA/定格運転時 | |
直 流 部 |
浮動充電電圧 | V | 401.4 | MSE形鉛蓄電池 | ||||
電圧変動範囲 | V | 280〜420 | ||||||
適合蓄電池 | MSE形鉛蓄電池:180セル | オプション対応可 | ||||||
交 流 出 力 |
定格出力容量 | kVA | 30 | 50 | 75 | 100 | 150 | |
相数 | 三相3線 | |||||||
定格電圧 | V | 200/210 | ||||||
電圧調整範囲 | %以上 | ±5 | ||||||
定電圧精度 | %以内 | ±1.5 | ||||||
過渡電圧変動 | %以内 | ±5 | 負荷急変0⇔100% | |||||
電圧整定時間 | ms 以内 | 50 | ||||||
定格周波数 | Hz | 50/60 | ||||||
周波数精度 | %以内 | 0.1 | 自走運転時 | |||||
同期運転範囲 | % | ±1 | ±0.5〜3.5%設定可 | |||||
定格負荷力率 | 遅れ | 0.9 | ||||||
負荷力率範囲 | 遅れ | 0.7〜1.0 | 定格kW以下にて | |||||
電圧不平衡率 | %以内 | 3 | 負荷不平衡率30%にて | |||||
電圧波形歪率 | %以内 | 3 | 線形負荷にて | |||||
%以内 | 5 | 整流器負荷100%にて | ||||||
過負荷耐量 | 120% 1分(110% 30分,150% 10秒) | |||||||
1,000% 1サイクル | 直送回路 | |||||||
総合効率 | % | 84 | 86 | 86 | 87 | 87 | 定格入出力時 | |
切 換 器 |
自動切換時間 | 無瞬断(同期時) | インバータ⇒直送 | |||||
手動切換時間 | 無瞬断(同期時) | インバータ⇔直送 | ||||||
そ の 他 |
発生熱量 | kJ/h | 18500 | 26300 | 39400 | 48200 | 72300 | IJ/h≒0.24cal/h |
準拠規格 | JIS、JEC、JEM、SBA | |||||||
騒音 | dB | 約65 | A特性 | |||||
周囲温度 | ℃ | -10〜40 | ||||||
湿度 | % | 25〜85 | ||||||
設置場所 | 屋内 |
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