1996年12月19日 |
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日本電池株式会社(社長 根岸 茂)は、このたび通信用電源として大幅な小型化と長寿命化、高性能化実現した光通信用シール鉛蓄電池「LHMシリーズ」4機種を新たに開発し、本日から発売いたします。
来るべきマルチメディア社会では情報量が飛躍的に増大することが予測されており、国内光通信網形成のインフラ整備が着々と図られつつあります。当社はこのように進展しつつある通信事情を背景に、かねて要望の高かった光通信端末用非常電源向けシール鉛蓄電池の小型化・長寿命化のための開発に取り組んでまいりました。これは光通信端末において光信号が電気信号に変換される配線点での電源バックアップを目的とするものです。 このたび開発した蓄電池は、従来のM形(JIS型式)蓄電池の放電性能を維持しながら、トリクル充電またはフロート充電で使用した場合の寿命をこれまでの3年から13年へと飛躍的に向上させた比較的小型の高性能シール鉛蓄電池です。これは、特殊な構造の極板の採用、新規に開発された合金、極板群構成の最適化により長寿命化、高性能化を達成したものです。 この新型蓄電池は、主に光ファイバー端末で電気信号に変換される配線点において、万一の場合にも通信が途切れることのないようにバックアップする非常用電源装置として用いられます。このほか、画像通信のための多数の光ファイバー端末に対応する小形非常電源を複数設置するCATVのように、蓄電池の交換がわずらわしいような用途をはじめ、とくに長寿命を期待される高性能小型UPSにも適しています。 当社は、成長著しい通信用非常電源用分野に新型シール鉛電池を投入することによって、産業用シール鉛電池事業の新境地を拓き、活性化を促してゆく所存です。 [ 特 長 ] 1.長寿命化、13年を実現 シール鉛電池は一般に、正極板、負極板および電解液を含浸させたセパレーターで構成されるが、充放電を繰り返し使用するにしたがい、極板活物質の剥落や電解 液の消耗によるセパレーターと極板との乖離現象が起こり、容量低下を来す。 今回、電池の極板の基板をなす集電体(格子)の設計を改良することで、集電体の 腐食による活物質剥離を大幅に減少させたこと、耐食性に優れた新合金を採用したこと、電解液の最適化を図ったことなどにより、電池の劣化を防ぎ、大幅な性能改良を達成した。これにより、非常用電源で一般的なトリクル充電やフロート充電で使用した場合、従来3年の寿命を13年に伸ばした。 2.小型・高性能化を実現 さらに、電池の小型化を図るために薄型極板を採用するとともに、前述の極板活物質の剥落やセパレーターとの乖離を防ぐため、極板群の圧迫度をあげる構成とすることで、同時に小型化・高性能化を達成した。この結果、非常用電源の設置面積の大幅な省スペース化を図っている。(1. 2. あわせて出願特許2件) 3.安全性の向上 電槽・ふたにはUL94-V0(米国規格)に適合した難燃性樹脂を採用し、蓄電池が万が一の火災によって燃焼するのを抑制している。 [ 蓄電池の要項 ] |
12V15Ah-LHM | 12V24Ah-LHM | 12V38Ah-LHM | 12V65Ah-LHM | ||
寸 法 (mm) | 幅 | 77 | 167 | 168 | 168 |
182 | 176 | 199 | 352 | ||
169 | 152 | 202 | 177 | ||
質量 | 6.4 | 11 | 16 | 25.2 | |
(AH) | 15 | 24 | 38 | 65 | |
公称電圧 (V) | 12 | 12 | 12 | 12 | |
期待寿命 (年) | 13 | 13 | 13 | 13 |
[ 当社希望小売価格 ]
[ 年間販売目標 ] 50,000個 [ 発 売 日 ] 96年12月 [ 写 真 ] 通信用シール鉛蓄電池「LHMシリーズ」4機種 [ この製品に関する当社担当部門 ]
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