2002年6月6日



高度利用が可能な蓄電池併設形太陽光発電システム
「パワーソーラーシステム」を商品化


   日本電池株式会社(社長:田中千秋)は、蓄電池併設形太陽光発電システム「パワーソーラーシステム」を商品化し、6月15日から販売を開始いたします。

  当社は「エネルギーをかたちに」をコーポレート・メッセージとして、クリーンな自然エネルギーの有効利用を目指し、電力会社の商用電力系統と連系する系統連系形太陽光発電システムの開発に取り組んでいます。1993年6月、太陽光発電用パワーコンディショナ「ラインバック」の商品化に成功。(財)電気安全環境研究所の認証試験第1号を取得して以来、「ラインバック」シリーズを核に、個人住宅用システムから大容量の公共産業用システムまで、多くの納入実績を誇っております。

 個人住宅用太陽光発電の新しいニーズとして、蓄電池を装備し、電力系統から自立した高度利用が可能なシステムを求める声がありました。今回発売する「パワーソーラーシステム」は蓄電池を併設した新しいタイプの単相系統連系用太陽光発電システム(4.5kW)で、太陽電池、パワーコンディショナ、蓄電池装置で構成しています。通常の太陽光発電システムに充放電制御装置機能と蓄電池を付加して、安価な夜間電力を効率的に活用することができます。すなわち、夜間に蓄電池に充電された電力は、昼間の太陽光による発電電力が負荷電力よりも小さい時の電力消費に使用することができ、個人住宅の電力料金を削減することができるシステムです。これを達成するため、蓄電池から系統へ逆潮流させないための逆潮流防止制御技術を確立しました。また、蓄電池に蓄えられた電力は、災害などの非常時にも活用が可能です。
  蓄電池には長寿命かつ優れた安全性を兼ね備えた顆粒クラッド式鉛電池「SLC70−4V」を採用し、1システムに32個(64セル)搭載しています。この蓄電池は、サイクル使用に対応するため、顆粒シリカを充填し電解液の成層化やドライアウトなどの劣化原因を克服するとともに、クラッド極板や最適な充電制御により、蓄電池温度が25℃の場合、放電深度70%時で3000サイクルを達成しました。
 当社では太陽光発電システム市場の需要拡大を見越して、コストダウンを実現しました。太陽光発電システムに蓄電池を加えることでこれまでにない新しい可能性を導き出し、太陽光発電システムのさらなる普及・実用化に貢献していく考えです。
 太陽光発電システムを設置されるお客様からは、太陽電池やパワーコンディショナ、蓄電池の販売だけでなく、最適な設計、設置工事やアフターサービスなどの総合機能が要求されます。当社はこれまでの多数の施工実績を踏まえ、一層のシステムコスト削減を図る技術開発に積極的に取り組むとともに、より信頼性の高いクリーンで安価なエネルギーを提供してまいります。

*パワーコンディショナとは? 
      系統連系インバータと連系保護装置を一体化した製品。太陽光発電による  発電電力を交流電力に
  変換し、 商用電力系統との連系運転によって常に安定 した電力を負荷に供給するとともに、太陽光
  発電による電力が負荷電力を上回った場合は余剰電力として、商用電力の配電線に逆潮流(売電)
  することができる。1992年に電気事業法に関連する売電制度がスタートしたことにより商品化が
  始まり、太陽光発電の有用化が図れるようになった。

【特 長】
  
1. 時間帯別電灯契約で経済的に電力を利用
          夜間時間帯(午後11時〜午前7時)に約6円/kWhの電気を蓄電池に充電し、昼間時間帯
    (午前7時〜午後11時)は約27円/kWh の時に蓄電池から負荷へ放電することによって
    電力料金を削減することができる。

  2. 高効率パワーコンディショナの採用
         系統連系運転および蓄電池充電運転も1台のパワーコンディショナで制御し、92.5%と高い
       電力変換効率を達成。

  
3. 停電時もバックアップ可能
         停電時でも蓄電池によるバックアップが可能で、介護住宅などにあるホームエレベータや電動
       ベッドおよび照明などの電源として使用できる。

  
4. 長寿命蓄電池の採用
         顆粒クラッド式鉛蓄電池の採用で、サイクル使用における長寿命化を達成。鉛蓄電池の劣化
       原因である電解液の成層化・ドライアウト・負極活物質の離床や経年的反応面積の減少など
       鉛蓄電池が持つ弱点をほぼ克服した。放電深度50%では4000サイクル、70%では3000
       サイクルを達成(ただし、蓄電池温度:25℃)。

  5. 蓄電池盤の屋外コンパクト設計
          従来品比で容積が約1/2のコンパクト設計が可能。住宅の軒下に設置できる縦型と横型の
        2タイプを用意。また、狭い通路でも搬入可能な組み立て式蓄電池キュービクルを採用した。

【発売日】             2002年6月15日

【価 格】       405万円
                         (多結晶型太陽電池4kW(瓦屋根設置方式)、パワーコンディショナ(屋内設置
                        方式)、蓄電池キュービクル(縦型または横型)、システム工事一式を含む)
             
【販売計画】          初年度 500台

【納 期】       3ヶ月

【仕 様】
1.パワーコンディショナ
項目 仕様
型名 型名 LBSC−4.5−S3CX
定格容量 4.5kW
形式 インバータ形式 電圧型電流制御方式(連系運転時)
電力制御方式 最大電力追従制御
絶縁方式 トランスレス非絶縁
冷却方式 自然冷却
定格 連続
直流入力 直流入力電圧(定格) 220V(太陽電池)
128V(蓄 電 池)
直流電圧範囲 0〜350V(太陽電池)
0〜200V(蓄 電 池)
最大電力追従範囲 100〜250V
交流出力 交流出力電圧(定格)
単相3線202V/101V
定格周波数 50Hzまたは60Hz
電力変換効率
92.5%(JIS C8961)
出力基本波力率 0.95以上
電流歪率 総合5%以下、各次3%以下
自立出力 交流出力電圧(定格) 100V
交流出力容量(定格) 1.5kVA
定電圧精度 ±5%以内
電圧歪率 総合5%以内
サイズ 幅800×奥行160×高さ290mm
質量 21kg

2.蓄電池
項目 仕様
形式 SLC70−4V
公称電圧 4V
定格容量 70Ah/10HR
外形寸法 総長さ 296.5mm
箱高さ 282.5mm
159mm
高さ 96mm
質量 11kg



【写     真】
 パワーソーラーシステム
    パワーコンディショナ  LBSC−4.5−S3CX



    蓄電池  SLC70−4V




[この件に関する当社担当部門]
     経営企画部広報グループ  TEL 075−312−1214