2001年11月15日
環境対応商品シリーズ第6弾 新型の小規模電力貯蔵用の制御弁式顆粒クラッド鉛蓄電池 「SLC70−4V」を新発売 |
日本電池株式会社(社長:田中千秋)は、このたび当社「環境対応商品」シリーズ第6弾として、電解液保持材に顆粒シリカ(球状のシリカ微粉体)を用いた電力貯蔵用サイクル長寿命電池「SLC70−4V」を、11月22日より発売いたします。 本製品は、フォークリフトなど深い放電をする用途で優れたサイクル寿命を発揮しているクラッド式正極板を用い、一方、業界で初めて電解液保持材に無定形の顆粒シリカを使用したことで、従来のペースト式極板を用いた制御弁式鉛蓄電池に比べ当社比で5倍以上(4000サイクル/DOD50%)の業界トップクラスのサイクル寿命を達成しております。 近年の環境問題により、太陽光発電や風力発電といったクリーンエネルギーの利用や電力負荷平準化が盛んに取りざたされ、一方では商店や住宅といったレベルでの燃料電池やマイクロガスタービンによる分散型電源への移行など、われわれを取り巻くエネルギー環境は大きく変化しはじめました。また、これらは従来の大規模集中型設備から小規模分散型設備へのシフトも伴い、これらの電気エネルギーを必要な時に蓄え、必要な時に放電するための小容量サイクル長寿命鉛蓄電池の開発が急務な状況になっております。本製品はこのようなニーズに可能な限りお応えし、ご満足いただけることを目指して、当社の開発力・技術力およびノウハウを総結集して開発された商品です。 商品化にあたっての事前評価といたしまして、平成10年度から平成12年度にわたり、電力負荷平準化のための設備として蓄電式の小型パッケージエアコンの研究において、ダイキン工業(株)様および三菱重工業(株)様に試験的に採用いただき、電力会社様を中心としたフィールドテストでご評価いただきました。また平成12年度には、オフィスなどの照明負荷に限定したピークシフトシステムにおいて、三菱電機照明(株)様と松下電工(株)様および当社で共同開発した電力貯蔵システムを、電力会社様から評価研究の委託を受け、各種性能確認試験を実施しております。 当社は環境やエネルギー問題のソリューションとして、また電力自由化により登場しはじめた電力ビジネスのためのツールとしてなど、皆様のお役に立てるよう、今後も商品ラインナップの充実を目指してまいります。 【特 長】 1. 電解液保持材に顆粒シリカを採用 一般的な制御弁式鉛蓄電池は、充放電反応による反応物質の膨張収縮により セパレータが薄くなり、電導性の低下により容量が減少するが、顆粒シリカを 採用することで電池内部にすき間なく均一に充填・圧迫されるため、前述した 原因による容量の低下を解消した。 2. エネルギーロスを減らし長寿命化を図る正負極板を採用 電力貯蔵用途において充放電Wh効率と長寿命は重要なファクターであり、 負極板に導電性を改善する物質を配合し、正極板はフォークリフト用などに 採用されている深い放電と充電を繰り返す使用に優れたサイクル寿命を有する クラッド式極板を採用したことで、充放電Wh効率の向上(エネルギーロスの 低減)とサイクル長寿命を両立した。 3. メンテナンス性と設置スペース効率の追求 制御弁式であるため補水を必要としない。また蓄電池寿命や充放電性能を 長期間維持するために極板が水平になるように横置きに設置するため、組電池 として使用する場合に定期的な電圧測定や外観検査などが容易になるとともに、 ユニット方式で積み上げて設置するため、余分なスペースを必要としない。 【仕 様】 1. 品 名 SLC70−4V 2. 公称電圧 4V 3. 容 量 70Ah(10時間率容量) 4. 方 式 制御弁式鉛蓄電池(密閉型鉛蓄電池) 5. サ イ ズ 長さ297mm×幅160mm×高さ97mm 6. 質量/容積 11kg/4.6リットル 7. 価 格 未定 8. 販売目標 10,000個/年 |
【写 真】 |
[この件に関する当社担当部門] 経営企画部広報グループ TEL 075−312−1214 |