2000/04/21

当社の固体高分子型燃料電池開発の取り組み状況について

 日本電池株式会社(社長:田中千秋)は、2002年の商品化を目指して、固体高分子型燃料電池(PEFC)の開発に取り組んでいきます。
 現在のPEFCのコストは1kW当たり5,000〜10,000ドルですが、本格的に普及するためには、車載用PEFCの場合、システム全体では同50ドル、本体では30ドル以下にすることが求められています。PEFCは作動温度が低いために、触媒として高価な白金を使う必要があり、1kW当たり約2gを使用、将来、実用化の段階でも電池本体価格の約43%が白金とも言われています。
 当社は、日本においてPEFCのパイオニア的存在であり、これまでPEFC実用化のための要素技術開発に力を注いでまいりました。そして、PEFCの大幅なコストダウンを実現するため、白金触媒の使用量を現在の10分の1に少量化し、担持(分散)した世界初の電極「超少量白金担持ガス拡散電極」の開発に成功しました。
 今回開発した電極は、高分子膜と触媒層の三相界面を工夫することで、従来の電極での白金使用量の10%に抑え、出力特性では従来の電極と同等の値も実現しました。