株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション GSユアサレポート 2023 2023年3月期

表紙イメージ

企業理念

革新と成長

GS YUASAは、
社員と企業の「革新と成長」を通じ、
人と社会と地球環境に貢献します。

新しい価値を生み出し、
持続可能な社会の実現に貢献

株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション
代表取締役 取締役社長
村尾 修

  今日カーボンニュートラルが重要な社会課題となる中、時代の変化とともに、「エネルギーを蓄え、必要な時に供給する」という機能を持つ当社グループの製品に求められる役割はかつてないほど大きくなっています。2004年の経営統合を契機に定めた「革新と成長」という企業理念は、「社会に貢献する新しい価値を創出し、それらによって自らも持続的(サステナブル)に成長すること」であると私は理解しています。変わりゆく社会環境の中で当社が成長し続けるためには、これまで培ってきた技術をさらに革新するとともに、それらの技術を社会に広げ、エネルギーマネジメントができる会社になっていかなければなりません。この方向性を明文化するために、従来の「経営ビジョン・経営方針」を見直し、新たに「サステナビリティ経営方針」を策定しました。これまで培ってきたエネルギー技術を生かすことで、今の時代に必要とされる新しい価値を生み出し、社会と共に成長を果たしていくという経営姿勢を示したものです。私自身が先頭に立ち、グループ一体となってサステナビリティ経営方針を実践することで、次の100年も社会にとってなくてはならない会社となることを目指します。

Vision 2035
(長期ビジョン)

Vision 2035 Vision 2035

2035年のGSユアサのありたい姿

GS YUASAは、4つの『Re』をキーワードにエネルギー技術の革新をすすめ、
モビリティと社会インフラの成長による社会課題解決に貢献し、持続可能な
社会と人びとの快適な生活環境を実現します。

Vision 2035 Reborn「100年事業を実現した創業者精神を呼び起こす」 Renewable「カーボンニュートラル実現へ後継」 Reliable「技術革新にこだわり、信頼できるエネルギーを届け続ける」 Respect「SDGsへの取り組みを尊重し、社会に貢献」

トップメッセージ

村尾写真 村尾写真

次の100年に向けて
事業構造の変革によって企業価値を高め、エネルギー・マネジメント・カンパニーを目指します。

株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション
代表取締役 取締役社長
村尾 修

サステナビリティ経営方針

人と社会と地球環境に貢献することで
持続的成長と企業価値向上を目指す

  グローバルでカーボンニュートラル実現に向けた潮流が加速しており、これは当社にとって大きな追い風であると認識しています。モビリティの電動化や社会インフラにおける再生可能エネルギーの導入拡大など、蓄電池の重要性が拡大するにつれて、当社の製品・ソリューションが活躍できる分野がさらに広がりつつあるからです。このような環境の中でサステナブルな社会の実現に貢献するには、これまで培ってきた「電気を蓄える・使う」技術のさらなる革新とともに、それらの技術を社会インフラの中に広く実装し、運用していくことが重要です。
  そこで2023年4月、従来定めていた「経営ビジョン・経営方針」を見直し、新たに「サステナビリティ経営方針」を策定しました。エネルギー技術で持続可能な社会の実現に寄与していくとともに、サステナビリティ課題の解決にも貢献し、当社自身も持続的に成長することにより、企業価値の向上を目指すという経営姿勢を明文化しました。当社グループの従業員をはじめとする関係者が本方針のもと成長することにより、人と社会と地球環境に貢献できると確信しています。
  この「サステナビリティ経営方針」には、当社の企業理念である「革新と成長」を補完する役割もあります。一般的に「革新」と聞くと、画期的な新技術や新製品の発明を連想しがちですが、それだけが革新ではありません。従来からある技術や仕組みを融合、統合、一体化することで、より良いものに進化させていく取り組みも革新です。さらに技術開発の分野に限らず、生産現場や営業、品質保証、人事などさまざまな部門で行われている「改善活動」も革新に繋がる活動です。日々の小さな改善は新しい価値の創出であり、それらを通じて自らも成長していくことができます。
  当社が持続的に成長するためには、従業員一人ひとりの力が欠かせません。日々、持続可能な社会の実現に貢献するという目標に向かって、常に革新の意識を忘れずに目の前の業務に取り組んでほしいと伝えています。

Vision 2035

「モビリティ」「社会インフラ」の
2つの分野に注力し、社会課題解決に貢献

  2023年4月、当社は長期ビジョン「Vision 2035」を発表しました。創業者のDNAやこれまでの100年以上の歴史の中で培ってきた知見を礎として、次の100年に向けて「革新と成長」を実現するために「2035年のGSユアサのありたい姿」を定めました。これは当社の戦略の指針であり北極星のような存在となり得るものです。「モビリティ」「社会インフラ」の2つの分野に注力することで社会課題解決に貢献し、持続可能な社会と人びとの快適な生活環境の実現を目指します。着実に事業を拡大させることで、2035年度には売上高8,000億円を目指します。
  Vision 2035では、4つの『Re』をキーワードとし、本ビジョンの達成を目指します。

「ありたい姿」の実現に向けて
バックキャストで道筋を定める

  Vision 2035の策定にあたっては、まず当社の事業領域における長期的な環境変化を予測することから始めました。当社の主要製品である蓄電池のグローバルでの需要は、2019年の230GWhから2050年には約10,000GWhと、40倍以上に拡大すると見込まれています。
  「モビリティ分野」では、ゼロ・エミッションに向けて電動化が加速するとともに、自動運転技術が進展すると予想されます。当社も電動化への対応として、従来の始動用鉛蓄電池を主力にした事業構造から、駆動用リチウムイオン電池を中心とした事業構造にシフトしていく必要があると考えました。
  一方「社会インフラ分野」では、カーボンニュートラルの実現に向けた再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力系統や事業所などの需給調整に必要な蓄電池の重要性がさらに拡大する見込みです。加えて電力・情報・通信インフラなどの領域では、バックアップ用途としての重要性もさらに高まるでしょう。
  このような市場環境のもと、事業構造を変革させつつも、世界的な追い風を捉えて当社の得意分野を伸ばすことで、事業を確実に成長させていくという方向性を固めました。

「技術へのこだわり」と
「パートナーとの信頼関係」を強みにして

  Vision 2035の策定プロジェクトでは、2035年頃に第一線で活躍していると想定される課長クラスのメンバーに参画してもらい、初めに当社のありたい姿について議論を重ね、原案を作成しました。その後、私や社外取締役を含めた経営層とともに内容を精査し、当社の未来についてディスカッションをしながらVision 2035を練り上げていきました。
  ディスカッションの中で特に印象に残っているのは、「資金面や競争環境を踏まえると、BEV用リチウムイオン電池事業への大型投資はリスクが高いのではないか」という意見に対して議論したことです。たしかに、これまで鉛蓄電池をベースに成長してきた当社がBEV用リチウムイオン電池に舵を切るのは、リスクある判断であるともいえます。しかし私自身、当社の成長にとってBEV用リチウムイオン電池というピースは絶対に外せないという想いがありました。BEV用リチウムイオン電池市場で戦うためには、当社単独でのビジネスではなく、経験やノウハウが豊富な企業とのパートナーシップが欠かせません。当社はこれまで、(株)ブルーエナジー、(株)リチウムエナジー ジャパンをはじめ、さまざまなパートナーとの協業・共創によって成長を続けてきました。だからこそ創業期から一貫して技術立社である当社は、技術に徹底してこだわらねばなりません。そうすることでパートナーに選んでいただき、当社も共に持続的な成長を続けることができる、と結論付けました。

BEV用・電力貯蔵システム(ESS)用
リチウムイオン電池を核に
持続的な企業成長を目指す

  BEV用リチウムイオン電池を中心としたモビリティ分野の取り組みの第一歩として、2023年7月に本田技研工業(株)との合弁会社(株)Honda・GS Yuasa EV Battery R&Dを設立しました。新会社では、急速に拡大するBEV市場の需要に対応すべく、グローバルレベルで高い競争力を持つリチウムイオン電池の研究開発を推進するとともに、主要原材料のサプライチェーンや効率的な生産システムを構築し、BEV事業への本格参入を目指します。
  また、新会社における研究開発の成果を生かし、2027年4月にはBEV用リチウムイオン電池の生産ラインを稼働、10月から量産を開始し、2030年にかけて順次生産ラインを立ち上げ、2035年にはグループ全体で20GWh超/年の生産能力にまで拡大させる予定です。
  BEV用リチウムイオン電池の開発の成否は、再生可能エネルギーのESS(定置)用などの常用分野の戦略にも大きく関わるため、非常に重要な位置付けです。入札案件が多いESS用リチウムイオン電池は、単独では収益のボラティリティが大きくなります。安定したBEV用リチウムイオン電池の生産能力や技術ノウハウを生かすことでコストを低減し、競争力を高められると考えています。本田技研工業と着実に開発を進めることで、BEV用・ESS用の拡大に繋げます。
  当社がグローバルで戦うにあたり、今回素晴らしいパートナーとBEV用リチウムイオン電池ビジネスを進められることは非常に幸運だと思っています。このパートナーシップ実現の背景には、本田技研工業との合弁で2009年に設立したブルーエナジーで、同社からのニーズに応えながらハイブリッド車(HEV)用リチウムイオン電池事業を着実に成長させてきたという実績と信頼関係があると考えています。
  社会インフラ分野においても、BEV用リチウムイオン電池をベースにした生産能力を活用することで、さらなる事業拡大を目指します。ESS用リチウムイオン電池の競争力を高めることで、当社のプレゼンスを拡大するとともに、社会の安心・安全を支えていきます。
  モビリティ分野と社会インフラ分野の両方を事業に有していることは当社の強みです。この強みを生かして社会に貢献することで、企業価値の向上を目指します。

鉛蓄電池事業で、成長への投資原資を創出する

  一方、既存事業における自動車用鉛蓄電池については、欧州などで鉛使用に関する規制が強化されていることもあり、市場は漸減していくと認識しています。ただし鉛は埋蔵量が豊富で、かつリサイクルも容易なサステナブルな資源であり、電動化に比例してすぐに鉛蓄電池がなくなるとは考えていません。また、各国で市場環境も異なるため、全世界で一律に電動化が進むわけではないと予想しています。時間軸・地域軸の両面で、各国の状況を見ながら需要を確実に獲得していきます。産業用鉛蓄電池・電源装置はバックアップ用途として引き続き重要性が高まるものと考えており、当社が果たす役割は大きいと認識しています。それらのキャッシュを刈り取った上で得た利益を新分野への投資原資にしていきます。その上で自動車用鉛蓄電池が一定残った場合は、当社にとってさらにメリットであると考えています。

将来に向けて、研究開発、新たな取り組みを強化

  Vision 2035における研究開発戦略では、リチウムイオン電池を中心としつつ、全固体電池をはじめとした次世代電池の研究開発・実用化を推進していきます。なかでも大阪公立大学と共同で進める先進固体電池の研究開発は、2022年11月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業にも採択されています。全固体電池の実用化に向け、今後もさらに研究開発のスピードを加速させていきます。
  また2035年頃からは、当社が蓄積してきた多様な技術・ノウハウを新ビジネス創出の種(シーズ)と捉え、「新たな取り組み」を育成します。現在新たなビジネスの創出に向けたアイデアを社内から公募する「Bizチャレ」というプロジェクトを開始しており、第一段の募集を終え十数件のビジネスアイデアを選定しました。既存事業の顧客基盤・事業基盤や技術を活用した派生事業領域とデジタル技術を取り入れた既存製品に付加価値をつけたビジネスなど、多様なアイデアの集積の中から事業として形になるように進めています。応募者の意欲が非常に高く、多くの従業員が創業からのチャレンジ精神をしっかりと受け継いでいるということが、当社の未来にとっての貴重な資産であり、人的資本の強化にも繋がっていると改めて認識しています。

第五次中期経営計画の振り返り

第五次中期経営計画の数値目標を達成

  2022年度業績は売上高、営業利益、当期純利益がいずれも過去最高を更新する増収増益となり、第五次中期経営計画の最終年度として数値目標を達成することができました。
  第五次中期経営計画の成果として、自動車電池事業では、パナソニック(株)から譲受した鉛蓄電池事業とのシナジーによる効果と、トルコ拠点の連結子会社化が好成績に繋がりました。
  産業電池電源事業では、サンケン電気(株)から社会システム事業を譲受し、調達、開発、製造、販売・サービスなど多部門でシナジーを発揮しています。また北海道の風力発電向けに世界最大規模の蓄電池設備を受注・納入し、20年間の保守・メンテナンス業務を請け負うことで、目指してきた「コトづくりビジネス」に参入できたことは大きな成果です。継続的に収益を得られるビジネスの成功例として、今後の事業展開にも生かしていきたいと思います。
  車載用リチウムイオン電池事業では、確実に利益を生み出せる体制になったことが大きな成果です。ブルーエナジーの第2工場の稼働開始に加えて、トヨタ自動車(株)へのHEV用リチウムイオン電池の供給も開始し、事業規模と収益を拡大させるための布石を打つことができました。他の自動車メーカーからも多くの引き合いがあり、主力事業として今後もさらに期待しています。
  これまで第三次、第四次中期経営計画では目標未達だったため、第五次中期経営計画目標は「グループ一丸となって必ず達成する」との強い意志のもとで推進してきました。コロナ禍をはじめとする想定外の厳しい事業環境下でやるべきことを確実に実行し、計画を完遂できたことは自信に繋がりました。

第六次中期経営計画の展望

大きな飛躍に向けた土台づくりの3年間に

  2023年度から第六次中期経営計画がスタートしました。この3年間は、Vision 2035の達成に向けて当社グループが大いなる飛躍を遂げていくための土台づくりと位置付けており、3つの実行施策を講じていきます。
  第一の施策はBEV用リチウムイオン電池の開発、生産・供給体制の整備です。2027年度の量産開始に向け、着実に準備を進めます。
  第二の施策は既存事業のさらなる収益力強化です。私は以前から、両利きの経営の重要性をさまざまな機会に述べてきました。当社の持続的な成長のためには、既存事業における収益拡大への注力に加え、そこで生み出した利益を成長分野に再投資していくという方針が重要です。国内・海外ともに、生産体制の集約などを含めた最適生産体制の構築を進めることで資本効率を高め、成長投資のための主要な源泉である収益を確保します。またHEV用リチウムイオン電池については、この第六次中期経営計画期間中に生産能力を年間7,000万セルまで拡大して需要に対応し、収益力を高めます。
  第三の施策はデジタルトランスフォーメーション(DX)と新規事業の強化です。DXについては、既に研究開発部門や営業部門などにおいて、さまざまな場面でAIやIoTなどのデジタル技術の活用を進めています。また、人的資本への投資を進めるとともに、先述の2035年頃からの新規事業の事業化に向けた取り組みを進めます。
  このような戦略を推進することで、第六次中期経営計画の最終年度である2025年度には、売上高6,100億円、のれん等償却前営業利益410億円を目指します。

ESG

  Vision 2035の達成に向けてESGへの取り組みは欠かせません。経営層からしっかりとコミットメントしていく必要があると認識しています。2023年度からCSR委員会をサステナビリティ推進委員会に改組し、サステナビリティに関する取り組みを引き続き推進するとともに、取締役会でのサステナビリティに関する議論もさらに活発化していきたいと考えています。

E:環境

  当社は2021年5月に「GY環境長期目標2030」を公表し、京都事業所の電力を100%再生可能エネルギー電力に切り替えるなど、脱炭素社会への移行に向けた活動を進めてきました。2023年4月には「GYカーボンニュートラル2050」を宣言し、カーボンニュートラル達成に向け、①省エネルギー対策の推進、②再生可能エネルギー発電の推進、③再生可能エネルギーの調達、の3つの施策を着実に進めていくことを表明しました。
  加えて社会全体のカーボンニュートラル実現に向けても、当社製品が果たすべき役割は非常に大きいと認識しています。今後も環境配慮製品の販売を拡大することでCO2を削減し、地球環境と社会に貢献していきます。

S:社会

  当社は、企業の根幹である人的資本を重要視しています。今後も当社が持続的に成長し社会に新しい価値を提供し続けるためには、強さだけではなく、変化に対応できるしなやかさを持つ人材と組織の確保が必須です。人的資本の強化に取り組み、チャレンジスピリットを持って新たなビジネス創造を目指す自律型人材の採用・育成を促進することで、社会に新しい価値を提供し続けます。
  ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の取り組みにさらに注力し、多様な個性・能力をもった人材が、それぞれのライフステージや特性、チャレンジ意欲に応じて活躍でき、成長を支援する体制・制度をさらに整備していきます。なお、こうした取り組みを評価するために、従業員エンゲージメントのKPIを設定しており、従業員の熱意を企業の成長力に繋げていきます。Vision 2035の推進において、事業の課題を従業員一人ひとりの課題や目標設定にまで落とし込めるよう、事業部門と人事部門の連携を強化します。
  全社で推進しているDXに関しても鍵を握るのは人材です。現在、社内でのDX人材育成計画を推進しており、2022年度にはDXの基礎知識に関するeラーニングを全社で実施しました。2023年度は「DX育成道場」を開設し、より高度なDX人材の育成に向け、各部門から推薦したメンバーを対象に専門教育を実施する予定です。

G:ガバナンス

  現在、役員評価に環境目標に対する実績や従業員エンゲージメントをはじめとしたESG評価を反映できるよう、検討を進めています。これはかねてより指名・報酬委員会において議論していた事項であり、各役員の管掌領域に応じてESG課題とその評価に関する適切なKPIを定め、役員報酬体系に組み込む予定です。
  サクセッションプランについてもさらに拡充していく考えです。CEOやCFOをはじめとした取締役候補に加えて、執行役員、事業部長、海外拠点長などについても後継者育成の仕組みを構築していくために、人事部や人事管掌役員、事業部の責任者を交えて3年後を見据えた議論を重ねています。

ステークホルダーのみなさまへ

持続的な成長の実現に向けて
さらに対話を深める

  現在、当社のPBRは1倍前後と、低位な状況が続いています。これは当社がステークホルダーのみなさまに対して、資本収益性や成長性といった観点を踏まえた成長ストーリーを示すことができていなかったことも原因の一つであると考えています。今回成長ストーリーを発表し、第六次中期経営計画でも今後に向けた布石をしっかりと打っていきますが、結果が顕在化してくるのは2027年度以降になると想定しています。その過程においてもステークホルダーのみなさまとの対話を重視し、ご意見に真摯に耳を傾け、当社の決断に対するみなさまのご理解を深めたいと考えています。
  今回Vision 2035を発表したことで、当社が何を大切にして、何を変革するのか、将来に向けてどこを目指すのかなど、当社の進むべき方向性と道筋をステークホルダーのみなさまに対して明確に示すことができたと思っています。当社は安定志向の会社だとみているステークホルダーのみなさまも多いと思いますが、今回BEV用リチウムイオン電池に舵を切り、ESS用リチウムイオン電池にも応用していくという、成長分野に照準を定めて事業基盤を大きく転換する方針を打ち出しました。私はこの方針以外に、当社が持続的に成長していく姿は思い描けないと思っています。
  これまで培ってきた技術を生かして、モノを売るだけではなく、エネルギー全体をコントロールし、マネジメントしていくような会社になるために、従来のエネルギー・デバイス・カンパニーから、エネルギー・マネジメント・カンパニーを目指します。引き続き当社グループの未来にご期待いただくとともに、ご支援をお願いいたします。

2023年8月

株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション
代表取締役 取締役社長
村尾 修

価値創造

価値創造プロセス

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事業プロセス

価値創造の源泉

  • 基幹である鉛蓄電池事業による安定した財務基盤イメージ写真

    1 鉛蓄電池事業による
    安定した財務基盤

    始動用鉛蓄電池は当社グループの財務基盤を支えています。新車向けに加えて、車両の整備・点検時を中心に発生する補修向け需要による継続的な収益が得られ、社会インフラを支えているバックアップ用電池電源装置やフォークリフト用の鉛蓄電池においても安定した収益を獲得できます。

  • 基信頼と実績に基づく技術開発力と市場開発力イメージ写真

    2 市場のニーズに応じ、信頼性の高い
    生産・販売・保守ネットワーク

    グローバル拠点網を構築し、地域ごとのニーズに合わせた提案を実施しています。自動車電池事業では、日本全国4,000カ所以上の取扱店でユーザーのみなさまに最適なバッテリーを提案しています。産業電池電源事業では日本全国100カ所以上のサービス拠点で保守・点検までのサービスを行うことが強みです。

  • リチウムイオン電池事業を支える高度な技術力イメージ写真

    3 事業を支える
    高度な技術開発力

    世界初の量産型EVやHEVにリチウムイオン電池を供給して以来、車載用リチウムイオン電池の先駆的メーカーとして、最先端の技術・製品開発に注力し、多くの日系自動車メーカーの車種に採用されてきました。またBEV用・ESS用の「高容量・高出力なリチウムイオン電池」の開発を進めているほか、「サステナブル」と「高エネルギー密度」をテーマに次世代電池の研究開発・実用化にも注力しています。

  • パートナーシップが支えるブランド力と高い競争力イメージ写真

    4 パートナーシップが支える
    ブランド力と高い競争力

    当社グループの鉛蓄電池は、自動車用・オートバイ用の両市場で高いシェアを維持しています。鉛蓄電池は電動車を含む自動車1台に一つ搭載されているため、今後も鉛蓄電池の需要は維持されると考えています。また、バックアップ用・フォークリフト用については国内トップシェアを維持しています。

  • 企業理念を共にし、技術を維持・伝承する従業員イメージ写真

    5 企業理念を共にし、
    常に革新と成長を続ける従業員

    グループ一体となった経営を推進し、発明家精神・チャレンジ精神を受け継いで「革新と成長」を日々実践しています。「ものづくりエキスパート」教育研修会や改善チーム活動の事例発表会を開催しています。また、各部門が専用データベースにテーマを登録し、日々改善活動を推進しており、活動の見える化・活性化に繋げています。このように当社グループでは、さまざまな活動を通じてものづくりの技術を維持・伝承しています。

  • 企業に根付くCSRイメージ写真

    6 企業理念が浸透し
    サステナビリティを目標とする企業風土

    従来定めていた「経営ビジョン・経営方針」を見直し、2023年4月、新たに「サステナビリティ経営方針」を策定しました。サステナビリティを意識した事業活動を根付かせ、コンプライアンス意識を浸透させることを目的に、2018年度からは、CSR方針に関連するテーマを取り上げたサステナビリティ職場ミーティングを実施しています。

第六次中期経営計画
(2023〜2025年度)

  • 1

    BEV用電池開発

    • Hondaとの合弁会社を活用した
      高容量・高出力なリチウムイオン電池開発
    • モビリティ・社会インフラビジネス拡大のための
      BEV用電池生産/供給体制整備
  • 2

    既存事業の収益力強化

    • 徹底した付加価値創出と収益性改善
    • 国内産業電池電源事業における
      圧倒的な優位性による利益の最大化
    • 中国事業見直しを含む地域戦略の転換、
      主要拠点へのリソース集中と利益の最大化
  • 3

    DX/新規事業

    • 事業構造転換を可能にするDX推進
    • 社会課題解決に貢献する新規事業創出

財務担当役員メッセージ

松島写真 松島写真

ROIC経営による利益の最大化と
最適な資金調達の活用により、
さらなる飛躍を目指します。

株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション
取締役 最高財務責任者
松島 弘明

CFOの使命

経営の羅針盤としての役割を果たす

  「財務観点から企業の持続的な成長を支えることがCFOの基本ミッションであり、長期的視点をもって企業価値向上に資する資本政策や財務戦略を着実に実行していきたい。」、1年前の就任時、私は本レポートでそのように述べました。この考えは今も変わりませんが、自身の使命の重大さ、責任の大きさに対する自覚はさらに深まったと感じています。
  当社グループは、100年以上にわたり鉛蓄電池の製造・販売を主力事業として社会に価値を提供することで成長してきました。しかしカーボンニュートラルの潮流の中で、当社グループが企業理念である「革新と成長」を実践し続け、持続的な成長を目指すためには、より社会に貢献できる企業に進化していかねばならないと考え、目指すべき未来とそこに向かう道筋について経営陣において検討を重ねました。そして2023年4月に長期ビジョン「Vision 2035」を発表し、次の100年に向けて事業構造を変革し、「モビリティ」と「社会インフラ」の2つの分野に注力していくという強い意志を社内外に示すことができたと思っています。
  「モビリティ」と「社会インフラ」の分野を拡大させるために、これまでとは桁違いの大規模投資が次々と控えています。そのベースとなる資本政策においても、さまざまな選択肢を含めた検討が必要です。もちろん株主還元もしっかりと行い、財務の健全性も守っていかなければなりません。Vision 2035が目指す方向を示す北極星だとするならば、CFOである私の役割は、それを見失わないための羅針盤です。その役割を果たし、GSユアサという船を正しい方向へ導きたいと思います。
  今回のVision 2035の発表は、当社の歴史的な大転換点といえます。当社の従業員が、20年後、30年後に「この会社に入ってよかった!」と思える企業にしたいという想いを改めて強くしました。

第五次中期経営計画の振り返り

損益目標は達成

  第五次中期経営計画の最終年度であった2022年度は、HEV用リチウムイオン電池の販売数量の増加やトルコ拠点の連結子会社化に加えて為替の円安影響もあり、連結売上高は5,177億円となりました。利益面では、原材料高の影響は受けたものの売価の見直しを順調に進められたことで、のれん等償却前営業利益は321億円と大幅増益となりました。これにより第五次中期経営計画の数値目標は、概ね達成できました。
  第五次中期経営計画期間中には想定外のコロナ禍のため、当初計画の期間を1年延ばしましたが、目標を達成できたことは高く評価したいと思っています。成長戦略の面でも、4年間着々と進めてきた施策の多くを結実させることができました。特に車載用リチウムイオン電池事業を黒字化させ、さらなる収益拡大が見えてきたことは、先行投資から収穫フェーズへのターニングポイントとして重要な意味を持っていると思います。
  一方で課題もあります。第五次中期経営計画期間中、リチウムエナジー ジャパンや中国拠点で減損損失を計上したほか、最終年度のROE(自己資本利益率)目標については未達となりました。また、(株)ブルーエナジー第2工場の生産能力増強や、海外拠点の増産投資などで累計約810億円の大型投資を実施した結果、バランスシートが膨らんでおり、それにより資産効率の観点ではやや悪化しています。第六次中期経営計画期間では、明らかになった課題について引き続き改善に向けて取り組んでいきます。

第六次中期経営計画の展望

Vision 2035のありたい姿の
実現に向けた土台づくり

  2023年度からスタートした第六次中期経営計画は、2035年のありたい姿に向けた変革のための土台づくりの3年間と位置付けており、最終年度は売上高6,100億円、のれん等償却前営業利益410億円と、さらなる業績向上を目指します。
  この期間における私の最大の役割は、土台づくりに必要な資金を確実に生み出すために既存事業のキャッシュ創出力の強化を図り、その上で事業構造改革に向けた最適なキャピタル・アロケーションを目指すことです。成長投資は、既存事業で稼いだキャッシュを原資とし、これを注力市場へ振り向けていく、この循環が基本だと考えています。自動車電池事業、産業電池電源事業に加え、車載用リチウムイオン電池事業の中でもHEV用リチウムイオン電池は相当なキャッシュを稼げる状況になっています。これらによって得たキャッシュを、モビリティや社会インフラなどの成長分野への投資に回すことで、中長期的な成長を目指していきます。

資本政策

将来に向けた先行投資のための
資金調達が課題

  第六次中期経営計画期間は投資が先行する3年間となり、HEV用リチウムイオン電池のさらなる生産能力増強や、将来の新たな柱と見込むBEV用リチウムイオン電池の生産に向けた大型投資を計画しています。他にも確実にキャッシュを回収でき、企業成長に資する事業だと判断すればM&Aを実行する可能性もあり得ます。
  これらを勘案して3年間での投資キャッシュ・フローは約1,900億円と試算しています。これに対し、今後3年間で当社グループが稼ぎ出す営業キャッシュ・フローは累計で約1,400億円と想定しており、フリー・キャッシュ・フローはマイナス500億円となります。さらに、株主還元に必要な資金を加えると約800億円を調達しなければなりません。なお、ここにはBEV用リチウムイオン電池の生産に関わる投資は一部しか含まれておらず、将来さらなる資金調達が必要となる見込みです。
  今後の大規模投資のための資金をいかに確保するか、CFOとして最大の課題と認識しています。先述の通り、まずは営業キャッシュ・フローの最大化に向けて取り組みますが、資本効率向上のために政策保有株式の縮減も進めます。かねてより直接的に利益を生まないものについては縮減していく基本方針を打ち出しており、今後も相手先企業との関係性をしっかり判断した上で売却を進め、獲得資金は成長投資に振り向けていきます。

ROIC経営

ROIC10%を目標として設定し、
資本効率を高める

  資本コストを上回るリターンを生み出し、資本効率を高めていくことはCFOの重要ミッションだと認識しています。第六次中期経営計画では「ROE 8%以上」に加えて、「ROIC 10%以上」を経営目標に設定しました。
  資本効率の面からみると、自動車電池事業(国内)では、引き続き高いレベルでROICを維持できる見込みで、稼げる間にできるだけ多くのキャッシュを稼ぎ、成長分野に再投資していくことが重要です。一方、自動車電池事業(海外)では地域ごとに戦略的にリソースを配分し、資本効率を高めることで利益拡大に繋げていきます。産業電池電源事業については、盤石な収益基盤である非常用分野で着実に収益を確保し、再生可能エネルギー用などの常用分野でのさらなる事業成長に繋げます。車載用リチウムイオン電池事業については、HEV用リチウムイオン電池の販売拡大、収益力向上を進めていきますが、今後BEV用で必要な投資を考えれば、経済産業省からの助成金などを活用したとしても、一時的にROICが低下する可能性が高いと予想しています。これからの数年間は、2027年度以降の事業拡大に向けて、跳躍エネルギーを蓄積する時期と捉え、中長期的な目線でマネジメントしていく考えです。

ボトムアップとトップダウンの両面から浸透

  当社では、事業部単位での収益管理を強化することでグループ全体での「稼ぐ力」の向上を目指しています。なお一般的にはROIC算出の際、分子には税引き後営業利益を用いることが多いと思いますが、当社はのれん等償却前営業利益を採用しています。これはROIC経営を全社に浸透させるために、既に事業部の目標管理指標に導入済みの営業利益を使うことでROICに対する理解度を高めたいという狙いがあるからです。
  投下資本を意識した事業推進への意識改革を促進していくために、管理職や現場の従業員に対してはROICに関する社内勉強会を定期的に開催しています。他にも、各部門が実施するTQM活動と連携させることによって組織全体にROICを定着させ、各従業員・各部門が自律的に改善に取り組むような姿を目指します。
  こうしたボトムアップでの理解浸透とともに、トップダウンでも浸透を図っています。経営陣に対してはROICの達成度を明確に反映できるような評価基準の導入を進めています。

株主・投資家のみなさまへ

対話を通じてより深い信頼関係を構築

  当社は株主のみなさまに対する利益還元を経営の最重要課題の一つに位置付け、連結業績と今後の成長に向けた内部留保、財務状況などを総合的に勘案した上で株主還元を実施しています。第六次中期経営計画期間中は投資が先行する期間となりますが、総還元性向30%以上を目標として株主のみなさまへの還元を行っていきます。なお、当社は株主のみなさまの利益を考慮して、総還元性向の算出に際してはのれん等償却前の当期純利益をベースとしています。
  2022年度の株主配当については前年度と同額の1株当たり50円で実施させていただきました。また2023年度については、予想利益の達成を前提として1株当たり中間配当金15円、期末配当金35円、年間配当金50円とする予定です。
  株主価値を高めるには業績向上を通じて長期的な株価の上昇に繋げ、株主還元を高めることが重要だと考えています。現状当社のPBRは1倍前後ですが、株価上昇に向け企業としてできることは、株主・投資家のみなさまとの積極的な対話によって期待収益率を把握するとともに、自社の成長戦略を正しく理解していただいた上で、そのストーリーを着実に実行・実現していくことである、と私は認識しています。
  当社グループがVision 2035で示した将来像と、価値創造のストーリーをぜひご理解いただき、短期的な視点ではなく、中長期の視点をもって当社グループの成長を見守っていただきたいと思います。当社グループの未来を信じ、引き続きご支援いただけるみなさまには、期待以上のリターンで報いていきたいと考えています。

2023年8月

株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション
取締役 最高財務責任者
松島 弘明

事業部別の戦略

自動車電池事業

環境変化に合わせ、
筋肉質な体制へと変革

株式会社 GSユアサ  取締役
自動車電池事業部長
阿部 貴志

  今回発表したVision 2035では、電動化を踏まえて鉛蓄電池の市場環境を厳しく想定しています。特に第六次中期経営計画期間は、電動化の流れの中で鉛蓄電池の位置付けがどのように変わるのか、どの地域の需要が拡大するのかを見極める大事な時期になると考えています。
  鉛蓄電池の市場が変化する中でも、高い製品パフォーマンスを提供し続けるための技術開発力、安定した製品品質を確保し続けるための製造・生産技術力、市場での製品安全を支援する技術サービス力はさらに磨く必要があります。「ものづくり」にゴールはありませんので、現場力を磨き常に高い目標に挑戦し続ける考えです。
  第六次中期経営計画では、市場がどのように変化しても確実に収益を確保できる体制、つまり筋肉質な体制に変革していくことが大きな目標です。効率の良いエリアに経営資源を集中させることで、収益性を高めていきます。

自動車電池(国内)

  • 売上高構成比グラフ
  • 売上高グラフ
  • 営業利益・営業利益率グラフ

自動車電池(海外)

  • 売上高構成比グラフ
  • 売上高グラフ
  • 営業利益・営業利益率グラフ

産業電池電源事業

持続可能な
社会インフラ実現に貢献し、
高収益を確保

株式会社 GSユアサ  常務取締役
産業電池電源事業部長
谷口 隆

  日本政府が発表したグリーン成長戦略では、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、電源構成が大きく変わり、再生可能エネルギーが50~60%を占めると想定されています。そのような状況の中、当社はVision 2035で、「持続可能な社会インフラ実現に貢献して高収益を確保する」という方針を示しました。
  第六次中期経営計画では、底堅い需要が見込まれる非常用分野ではシェアを堅持しつつ、常用分野と海外市場の旺盛な需要に対して、ESSの新たな製品の開発や海外におけるフォークリフト用鉛蓄電池のコストダウンなどの成長に必要なシナリオを策定し、計画達成に向けて取り組んでいます。第六次中期経営計画は、将来の大きな成長に向けた土台づくりです。Vision 2035の実現に向けて、社会インフラ分野の事業拡大のための布石を着実に打っていきます。

産業電池電源

  • 売上高構成比グラフ
  • 売上高グラフ
  • 営業利益・営業利益率グラフ

車載用リチウムイオン電池事業

リチウムイオン電池事業の
持続的な成長を達成する

株式会社 GSユアサ  常務取締役
リチウムイオン電池開発・知財・リチウムイオン電池事業担当
奥山 良一

  Vision 2035の前提として、カーボンニュートラルの流れが定着し、自動車の電動化は間違いなく進むと想定しています。現在、BEV用リチウムイオン電池の市場は、中韓勢が先行しており競争環境が激しいですが、当社も日系自動車メーカーと足並みを合わせ、しっかりと存在感を示していく必要があります。
  Vision 2035達成に向けた土台作りとしての第六次中期経営計画の目玉は高容量・高出力のリチウムイオン電池の開発です。その第一歩として、2023年7月に「株式会社Honda・GS Yuasa EV Battery R&D」を設立しました。まずはこの合弁会社において、競争力が高く、グローバルスタンダードとなる高性能BEV用リチウムイオン電池を開発するのが最優先事項です。BEV用リチウムイオン電池の競争に打ち勝つためには、これまでにないスピードとアグレッシブさで行動しなければなりません。社会からの期待も大きいこの事業を、必ず成功させるという強い気持ちで推進していきます。
  HEV用リチウムイオン電池については、2030年代半ばまでは日系自動車メーカーを中心に活発な需要が続くと想定しており、2025年度までに年間7,000万セルまで生産能力を引き上げ、自動車メーカーの要求に確実に応えていきます。

車載用リチウムイオン電池

  • 売上高構成比グラフ
  • 売上高グラフ
  • 営業利益・営業利益率グラフ

特殊電池およびその他事業

顧客の高い要求に応える
技術開発力を磨き、
生産の効率化を進める

株式会社 GSユアサ  執行役員
株式会社 ジーエス・ユアサ テクノロジー 社長
並河 芳昭

  第六次中期経営計画の売上の柱となるのが航空機用リチウムイオン電池です。顧客からの要請に着実に対応するための生産体制の整備を進めます。また、新製品開発と新規顧客開拓による拡販も積極的に推進しており、引き続き注力します。
  潜水艦用リチウムイオン電池は今後も継続的な需要に対応し、安定的に供給していきます。また現在は高容量かつ価格競争力のある電池が求められているため、次世代潜水艦用リチウムイオン電池の開発を推進しており、開発段階でもしっかりと収益をあげていくための体制を整えます。
  ジーエス・ユアサテクノロジーの持つ高い技術力という強みを最大限に生かしつつ、コスト削減と生産の効率化を進めることで、新しい社会インフラの構築に貢献することができると考えています。新たなチャレンジをしながらしっかりと課題に応える姿勢でお客様の期待に応え続けます。

特殊電池およびその他事業

  • 売上高構成比グラフ
  • 売上高グラフ
  • 営業利益・営業利益率グラフ

研究開発部門座談会
~次世代電池開発の展望~

当社はVision 2035の中で、2050年に向けた研究開発ロードマップを発表しました。今回(株)GSユアサ 研究開発センターで次世代電池の開発に携わっている3名のメンバーと研究開発センター長、研究開発部門の管掌役員である経営戦略室長の5名で、次世代電池開発の展望や研究開発部門の強み、人材育成などについて座談会を行いました。

ESG

マテリアリティ

活動内容・目標(2025年度)

Environment

持続可能な地球環境への貢献

  • 環境配慮製品の開発と普及
  • 環境保護の推進
  • CO2排出量15%以上削減(2018年度比)
  • 水使用量15%以上削減(2018年度比)
  • 再生鉛使用率70%以上
  • 環境配慮製品売上比率45%以上

Social

人権の尊重と社会への貢献

  • 人格の尊重
  • 多様性の尊重
  • 人材開発の推進
  • 労働環境・労働安全衛生の向上
  • 高品質な製品の提供
  • CSR調達の推進
  • 人権教育の推進と人権リスク管理の徹底
  • ダイバーシティ&インクルージョンの推進
  • ワークライフバランスと健康経営の推進
  • 人材育成プログラムの推進
  • 労働安全衛生リスクマネジメントの推進
  • 製品安全管理の強化、品質改善や品質コミュニケーション強化の推進
  • 責任ある鉱物資源調達への対応とサプライチェーンにおけるCSRリスクの管理

Governance

公正、透明、迅速な
グループ全体の
ガバナンスの推進

  • CSR・コンプライアンスの徹底
  • 知的財産の保護
  • 機密情報管理の徹底
  • コンプライアンス教育の推進と法令情報の周知・徹底
  • 特許侵害の回避徹底と模倣品の排除
  • セキュリティ対策の推進、情報セキュリティ教育の推進
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