・1873年、英国で初めて電気自動車が誕生。なお、ガソリン自動車の完成は1884年。
・1899年、日本に初めて電気自動車が輸入される。米国製プログレス三輪電気自動車。

明治期の自動車は電気自動車が中心・10種類を超え、数十台が利用されていた。
・1917年、電気事業の興隆により電気自動車への関心が高まる。
・1917年、米国より「デトロイト号」5台輸入される。

輸入された5台のうち2台の「デトロイト号」は、日本電池(現GSユアサ
※)初代社長・島津源蔵が、北白川の自邸・会社間の通勤用と、自家用として所有。
その形から「源蔵さんのシルクハット」と呼ばれ、人々に親しまれた。
※GSユアサ:日本電池とユアサ
コーポレーションが2004年に共同で設立した会社

「デトロイト号」に自社製(日本電池製)の蓄電池を積み込んで走行。
・1929年、電気デー記念行事の京都電気自動車行列に「デトロイト号」参加。
・1946年、島津源蔵が社長を退くまで「デトロイト号」を愛用。以降は倉庫に大切に保管。

それまで保管されていた2台から状態の良いパーツを取り出して、展示用の1台を製作。
・1981年、新社屋完成。事務棟玄関ロビーに「デトロイト号」を展示。
・2008年8月、「デトロイト号復活プロジェクト」スタート。
・2009年5月20日、「デトロイト号」を運転可能な電気自動車として復活!
1917
MODEL | | 2009
復活MODEL |
3,660×1,730×1,960mm | 全長×全幅×全高 | 3,660×1,730×1,960mm |
約1,600kg | 車両重量 | 1,440kg |
5名 | 乗車定員 | 5名 |
60km/h | 最高速度 | 20km/h※ |
40km | 一充電走行距離 | 約33km |
直流複巻 | 種類 | モーター | 種類 | 直流直巻 |
5.5kW | 定格出力 | 定格出力 | 4kW |
25N・m(推定) | 最大トルク | 最大トルク | 22.5N・m |
後輪駆動 | 駆動方式 | 後輪駆動 |
鉛 | 種類 | 電池 | 種類 | 鉛 |
84V | 電圧 | 電圧 | 24V |
11kWh | 総電力量 | 総電力量 | 11kWh |
※車体の維持を考慮して速度を制限しています。
日本電池の初代社長であり、「日本のエジソン」と呼ばれた発明家です。
1869年(明治2年)、島津製作所の創業者・島津源蔵(初代)の息子として誕生し、幼名を梅治郎と言いました。1894年(明治27年)父の病没により家督を継ぎ、二代目源蔵を襲名。その頭文字のGSは自らが開発した製品に使われるようになり、1917年(大正6年)日本電池設立以降は、自社製の蓄電池の商標となり、やがて全製品の統一ブランドとして使われるようになりました。
「モノづくりというのは社会に役立つものでなければならない」という信念のもと、数々の発明を行ってきた島津源蔵。国内初のエックス線写真撮影成功、鉛蓄電池の開発、易反応性鉛粉製造法の発明などの功績を残し、1930年(昭和5年)には「本邦十大発明家」の一人として宮中での午餐に招待されています。1951年(昭和26年)に82歳の生涯を閉じるまで、数多くの特許を申請。まさに、発明の夢を追い続けた人生でした。