会談“電池の世紀”Meeting

“電池の世紀”を迎え、電池市場はどうなっていくのか?
また、GSユアサはどこへ向かうのか?
各分野を担う役員4人が、電池の、
GSユアサの、未来を語り合いました。

  • 吉田 浩明

    取締役 研究開発センター長

  • 村上 真之

    取締役 自動車電池副事業部長

  • 倉垣 雅英

    常務取締役

  • 山口 雅英

    上席理事
    産業電池電源事業部 副事業部長

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電池市場の将来は?

  • 吉田
    市場は拡大していくと見ています。家庭用の蓄電システム、自動車や電車など、身近なところに電池が使われることで、電池使用量が増え、より快適な生活が送れるようになります。また産業用途では、飛行機など、現在は化石燃料を使っているものが電池を動力源とするようになり、電池は今後さらに幅広く使われていくでしょう。
  • 倉垣
    私も同意見です。原子力や太陽光など、エネルギーを創り出す源や方法はたくさんある一方で、エネルギーを蓄える「蓄エネ」機能を果たすものについては、現状バッテリーに勝るものはありません。 あと100年くらいは、その存在価値の高さが続くと考えて良いでしょう。したがって、当社がバッテリーメーカーとしての優位性を保つ限り、GSユアサの存在意義を継続して高めていけると私は信じています。ここは学生の皆さんにも、強くアピールしたいところですね。皆さんの各事業部では、これからの市場をどう見ていますか?
  • 村上
    自動車分野は、ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池自動車、さらには自動運転など、どんどん進化しています。しかしどれだけ進化を遂げようとも、現在すべての自動車に搭載されている「12V電池」は、引き続きコンピュータ制御等のためにも必ず搭載されます。また、近い将来、自動運転が実用化された時でも、最後の砦として安全を確保するためのバックアップ電源に蓄電池が必要となります。テレビCMで、タイヤメーカーがタイヤは「命を乗せている」と言っていましたが、同じ例えをするなら、バッテリーは乗る人の「命を守っている」と言えます。自動車分野におけるバッテリー需要は、これからますます広がっていくでしょう。
  • 山口
    当社は約100年にわたり、鉛蓄電池を中心に事業を行ってきましたが、今、電池市場ではリチウムイオン電池を中心に新しい電池が誕生し、当社としても、市場としても一つの歴史的な転換点に差し掛かっています。まさに「電池の世紀」。自動車分野に限らず、産業用分野でも当社のフィールドは広がっています。これまでは、万が一の時のためにさまざまな施設に設置するバックアップ電源が主流でしたが、最近は、たとえば電池を使って電車やクレーンを動かすなど、モバイル的な使い方へと広がりを見せています。あるいは、再生可能エネルギーとして期待が高まる太陽光発電や風力発電においても、発電出力の変動影響を最小限に抑える蓄電池システムが用いられるようになっています。こうした用途はこれまでなかったものです。次から次へと新しいニーズが出てきて、私たちはその対応に追われている状況にあり、今この分野は非常におもしろいと言えますね。

  • 倉垣
    そもそも、バッテリーは車のボンネットの下に、また非常用電源は地下室に設置されており、どちらかと言えば目立たない黒子の存在だったでしょう? しかし昨今、社会的にも注目を浴びるようになり、そこにようやく焦点が当たり始めたように感じています。現相談役の依田が提唱した言葉に、「創エネ、省エネ、蓄エネ」という3つのキーワードがあります。エネルギーを生み出す、省電力化を図る、そして蓄える、この3つの機能に深く関わる電池は、これらをよりたくましく進化させるためのキーデバイスとして不可欠です。
  • 吉田
    その最先端とも言えるリチウムイオン電池の開発は、大きく2つの方向にわかれています。1つめが、電池の回生能力をより高めていき、いろいろな「エネルギーの回生」を実現していくこと。自動車や電車にとどまらず、エレベータなど、動く・止まるを繰り返すものには、将来、回生電力を急速充電できる電池の活用が広がっていくと予想しています。2つめは、「軽く小さく」という方向性です。これが実現すると、軽量化により自動車の走行距離が伸びたり、家庭用やビル向けの蓄電システムが非常にコンパクトになります。また、軽くなれば飛行機やドローンなどの飛行時間も長くなります。つまりは、市場をさらに広げる原動力になるわけです。現在は、この2つの方向性に着目した開発を進めています。
  • 村上
    1つめの「エネルギー回生」について、電気自動車の側面から言えば、「回生ブレーキシステム」があります。アクセルを離した瞬間、ブレーキ代わりにモーターを回して発電し、電池に充電するこの技術が向上すれば、ほとんどブレーキを踏まなくても、アクセルワークだけで走行できるという新しい世界が見えてきますね。
  • 山口
    まさにそこに用いられているのが、いわゆる制御技術で、私たち電気系技術者の活躍分野です。電池を最大限に安全で効率よく使用できるシステムを構築することが、私たちの仕事と言えます。
  • 倉垣
    これまで当社は電池中心に技術開発を進めてきて、まさしくバッテリー専業のメーカーだったのですが、最近は電池が様々な分野で活躍を見せるようになり、システム構築のための機械系や電気系の技術が不可欠になってきています。当社では、そういった機械・電気系の人材が足りていない状況なので、来てもらえれば若いうちから大いに活躍してもらえると思います。

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これからの電池技術とは?

  • 吉田
    リチウムイオン電池の次に来る「ポストリチウムイオン」の技術として、世の中で注目されているものが3つあります。1つが固体電解質。今の電池には必ず液体の電解液が入っていますが、これを固体に変えることにより、液漏れのリスクをなくし、信頼性を向上させようというものです。将来、エレクトロニクスや機械のパーツが人体に入ってサイボーグ化していく時代がやってきた時、その電源として安心・安全な電池が求めらることが予想されますので、それに向けて期待されている技術です。2つめが、非常に軽い電池ということで、「空気電池」というものがあります。大気中の空気を活用して発電する電池で、これはまさにドローンなどの飛翔体向け分野で期待されています。
  • 倉垣
    その空気電池は実際どこまで開発が進んでいるのでしょうか?
  • 吉田
    それはここでは言えません(笑)。鋭意、開発を進めている段階です。3つめが、非常に低コストな電池。リチウムイオン電池は高価な金属化合物を使っているので、コストが高いのが難点です。そこで、安価な材料を使った次の電池ということで期待されているのが、「硫黄電池」です。火山などにある黄色い物質で、それを用いることで低コストを実現しようとしています。
  • 倉垣
    実用化はいつ頃になりそうですか?
  • 吉田
    2020年には何とかかたちにして、電池を活用している自動車メーカーさんにサンプルを出せるようにしようと頑張っています。一般的に使われるようになるのは、2025年~2030年頃になるのではないでしょうか。

  • 村上
    鉛蓄電池も、ニーズの移り変わりとともに変遷しています。先ほどお話しした自動車向けの12Vのバッテリーも、昔はただエンジンを始動させられればよかったのですが、自動車メーカーの要望で、アイドリングストップ機能に対応し得る高い耐久性をそなえるようになりました。当社は、お客様と一緒にその分野の技術を開発してきて、今、非常に高い技術優位性を有しています。また、自動運転を実現するためのバックアップ電源ニーズを含め、鉛電池分野はまだまだ技術革新が求められている、非常に楽しみな事業であると思っていただいて間違いありません。
  • 倉垣
    おもしろいものですね。私たちが入社したのは35年くらい前ですが、当時のバッテリーの地味なイメージに比べると、今はずいぶんステータスが上がったように思います。周辺システムがどんどん高機能化したことにより、様々なエネルギーを電気に変えて電池にためることが注目されるようになりました。今の話で言えば、アイドリングストップ用のバッテリーも、従来の車載バッテリーよりもタフなスペックが要求されており、どんどん進化を遂げています。
  • 村上
    確かに今、鉛蓄電池はおもしろいですよ。技術系の学生さんは、開発と言うとリチウムイオン電池に目が向きがちですが、鉛蓄電池の分野も最先端を目指した開発を手がけることができる、やりがいのある分野です。実際、職場も活気がみなぎっています。
  • 山口
    システム分野も負けていませんよ。どんどん電池が新しくなる中で、人工衛星や車、電車など、分野によってニーズは全然違うわけですが、それに応じてシステムをつくり上げていく必要があります。用いられる技術としては、例えば通信技術。今、南米チリの鉱山で、メガWh規模の当社製電池が動いていますが、その様子は日本にあるパソコンで手に取るようにわかり、場合によっては、復旧までできてしまいます。いわゆるインターネットの技術によって遠隔監視や遠隔制御ができる時代になってきているんですね。あるいは、バッテリーの劣化状態や充電量を明らかにする技術。今使っているバッテリーがあとどれくらい使えるかわかることは、ユーザーにとって非常に有益です。電池そのものの技術革新に加え、こうしたシステム関連技術を向上させることで、電池をより使いやすく便利なものにしていく使命を、私たちは担っています。

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GSユアサの未来は?

  • 倉垣
    製品ビジネスに関する話は他の3人に任せるとして、組織という観点で言えば、当社は今、大きくもなく小さくもない、ちょうど良いボリュームユニットだと思っています。大企業病やコンプライアンス問題に頭を悩ませる企業がある中、当社では、例えこれ以上規模が大きくなった時でも、組織のありかたやマネジメントのやり方については、今の良さを維持できるよう努めるべきでしょうね。製品ビジネスの観点からはいかがでしょうか?
  • 山口
    電池のセルといわれている部分については、技術開発を進め、世界のトップになることを目標としていますが、それを用いたいわゆるアプリケーションでも上位に食い込んでいきたいですね。グローバルに考えた時、例えばアジアの電気事情の悪いところでも、携帯電話は欠かせないデバイスです。万が一停電になって携帯電話が通じないとなると、経済活動にも支障をきたすため「仕方ない」ではすみません。停電が起こったら大変なことになる時代になってきているわけです。それを防ぐ電源装置の役割は、ますます重要なものになっていくと思います。
  • 村上
    私たちの事業部では、「ものづくり」と「コトづくり」を合わせた造語「ものコトづくり」をキーワードに掲げています。ものづくりというのは、より性能・品質の良いものをつくるのが基本ですが、ただ品質や性能が良くても売れません。「こちらの方が有名でカッコ良いブランドだから買う」といったように、お客様に感情的に訴える何かが必要になるわけです。その何かを生み出すのが「コトづくり」です。特にバッテリーは表に姿を見せないからこそ、いかに重要なものであるかを訴える必要があります。また「GSユアサのバッテリーを買えば安全・安心が手に入る」ということも、しっかりエンドユーザーの方にお伝えしていく必要があると考えています。コトづくりにはブランディングやマーケティングといった観点からのアプローチが必要になってきますので、これから入社される方にぜひ手がけていただきたい仕事の一つですね。

  • 倉垣
    表に姿を見せない製品のブランディングとしては、パソコン用CPUを手掛けるメーカーが自社製品が入ってることをアピールするシールをパソコン本体表面に貼付していたことを思い出します。GSユアサも同じように、当社の非常用電源が設置されているビルには、「GSyuasa inside」という看板を作って掲げれば良いのでは?(笑)。 非常用電源は必ず地下に設置されていますが、そこで働いている人たちさえも、GSユアサ製であることを知らない方が大半のようです。一定規模以上のビルの6割以上に当社名が掲示されたら、すごいですよ。
  • 村上
    それができれば、当社が蓄電システムのリーディングカンパニーであることも広く認知されるでしょうね。
  • 吉田
    リチウムイオン電池分野では、もちろん世界一を目指しています。経営ビジョンである「お客様に快適さと安心をお届けする」の達成を目標としていますが、お客様には「快適さと安心」はもちろん、「さすがGSユアサ!」という驚きをプラスして製品をお届けしたいと思っています。そのためには、ものづくりを担う技術系社員だけではなく、驚きの仕組みづくりやアピールなどの「コトづくり」を手がける事務系社員も必要です。そして、もう一歩先では、「GSユアサの電池でないと機器が動かない」と言っていただけるほどの製品を提供できる会社になりたいですね。それを続ければ、結果的に世界一を手にできるはずです。

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GSユアサで働くやりがいとは?

  • 村上
    GSユアサは自分の挑戦したいことに挑戦できる可能性が高い会社だと思います。私たちの事業部では、なるべくフラットなコミュニケーションをしたいという思いがあり、実際お互いに言いたいことを言い合える風土があります。私も若い人の意見を聞くことがありますし、若い人も気後れすることなく役員と話をしているように感じています。ここ10余年で会社の規模は非常に大きくなりましたが、昔よりもフラットな組織風土で、活発なコミュニケーションができるようになったと思っています。これから入社される方も、「組織が大きすぎて、はるか上は何をしているかわからない」ということではなく、ちゃんと上層が見えている中で活躍するおもしろさが味わえるのではないでしょうか。
  • 吉田
    同感です。技術系・事務系問わず、本当に良いアイデアを持っていれば実現していける、そんなやりがいを感じられる会社だと思います。「フラットな組織」は私も大賛成で、私自身、一般社員と同じフロアに机を並べて仕事をしており、日頃から「アイデアがあったらどんどん言いに来て」と言っています。フラットな組織という話題で言えば、当社は社長や常務も、一般社員と同じ食堂を利用して、一般社員と肩を並べて食事をするでしょう? あの光景は、この規模の会社ではかなり珍しいようですね。
  • 山口
    そうなんですか・・・、当たり前だと思っていました(笑)。それが当たり前になるような会社だからかどうかはわかりませんが、客観的な事実から言って、退職者が非常に少ない会社ですよね。その理由の一つに、働きやすさは絶対にあると思います。コミュニケーションはしっかりとれていますし、上下関係も風通しが良い。私自身も、そうした風土づくりを何より心がけています。もう一つ大事なのは、社内にローテーションを希望できる制度があるということ。「こういうことをしたい」と言えば最大限実現できるように取りはからってくれる、社員の想いを大事にする制度もあります。「やらされ感」ではなくて、やりたいことに取り組めることが大事なので、そのための環境は整えていると思います。
  • 倉垣
    当社はオーナー企業ではないこともあり、風通しの良い、自由闊達な風土が醸成されているように思います。トップダウンで物事が決まることはほとんどなく、ボトムアップで下からものが言える風土がしっかりあります。言いたいことが言え、やりたいことができる、だから定着率も高いのだと思います。あと、これは学生の皆さんに声を大にして言っておきたいことですが、当社は決してブラック企業ではありません。真っ白です(笑)。それは、社員に直接問いただしてもらってかまいません。まあ、そんな企業なので、先輩社員も自分の出身大学の学生さんに「おもしろいよ、うちの会社は」と言ってくれているようです。意外とおもしろい会社、それがGSユアサです。もし、少しでも「おもしろそうだ」と思っていただけたなら、ぜひ応募してください。