GS YUASA

  • Home
  • お問い合わせ
  • サイトマップ
第16回 未来へのミッション
第15回 最後の課題
第14回 復活へのラストスパート
第13回 テスト、テスト、テスト
第12回 不可能への挑戦
第11回 プロの力量
第10回 復活への旅立ち
第9回 懐かしい訪問者
第8回 甦るフィーリング
第7回 華やかなシンボル
第6回 数奇な運命
第5回 「電気馬車」という名の車
第4回 開拓者魂を乗せた車
第3回 立てない自動車
第2回 30年ぶりの外出
第1回 90年前の電気自動車を復活せよ。
 
第16回
未来へのミッション。

1917年(大正6年)、日本電池(現GSユアサ※)創業の年にアメリカから輸入され、30年近くも走り続けてきた電気自動車「デトロイト号」。その復活プロジェクトがスタートしたのは2008年夏のことです。それから8カ月あまり、多くの人々の協力のもと、数々の困難を乗り越えて修復作業を終えた「デトロイト号」。その復活を記念して、2009年(平成21年)5月20日、GSユアサ本社で、復活完成発表会が開催されました。

※GSユアサ:日本電池とユアサ コーポレーションが2004年に共同で設立した会社
スペック
1917 MODEL 2009 復活MODEL
3,660×1,730×1,960mm全長×全幅×全高3,660×1,730×1,960mm
約1,600kg車両重量1,440kg
5名乗車定員5名
60km/h最高速度20km/h※
40km一充電走行距離約33km
直流複巻種類モーター種類直流直巻
5.5kW定格出力定格出力4kW
25N・m(推定)最大トルク最大トルク22.5N・m
後輪駆動駆動方式後輪駆動
鉛種類電池種類鉛
84V電圧電圧24V
11kWh総電力量総電力量11kWh
※車体の維持を考慮して速度を制限しています。
待ちわびた復活。
GSユアサ社員やプロジェクトスタッフをはじめ、この車を知るすべての人にとって、それは待ち焦がれていた瞬間でした。開会のアナウンスが流れると、多くの報道関係者が見守る中、技術スタッフの運転で「デトロイト号」がゆっくりとセレモニーの会場に近づいてきます。薫風の中をゆったりと走る、シルクハットの優美なフォルム。眩しい日差しを浴びる漆黒のボディー。クラクションとして使われているベルのノスタルジックな響き。それはまるで、古い映画のワンシーンを見ているような印象的な風景でした。
会場に拍手で迎え入れられた「デトロイト号」。その姿は往時と変わりはありませんが、たくさんの人々の手を経て修復され、隅々まで徹底的に磨き上げられ、まるで若返ったかのようです。また、外からは見えませんが、車のフレームとモーターには、この車が輸入された年と修復された年を表すシリアルナンバーも打刻。それは、アメリカから日本に渡り、島津源蔵をはじめ多くの人々の技術と情熱が注ぎ込まれた、まさにこの車のアイデンティティーだと言えるでしょう。
環境に貢献する存在でありたい。
第三次電気自動車ブームの到来を受けて、2008年夏にスタートした「デトロイト号」復活のプロジェクト。同年秋にはGSユアサによる三菱自動車工業(株)製新世代電気自動車「i MiEV」の実証実験がスタートしたこともあり、「新旧の電気自動車を一緒に走らせよう」というユニークな企画も提案されました。そのプロジェクトも、ついに完結の時。セレモニーでは、GSユアサの依田社長がプロジェクトの意義やそこに託された想いを語りました。
「近年、環境意識の高まりにつれて、電気自動車やハイブリッド車などのエコカーに対する注目度も高まってきております。当社は、電気自動車に使うリチウムイオン電池の製造・販売をこれからの事業のひとつの柱にしていこうと取り組んでいる当社の事業の象徴として、新旧の電気自動車を活用することができればと思いました。
私どもGSユアサは、この京都を本拠に、100年を超える歴史をもつ企業です。そしてこの京都は、環境モデル都市であり、電気自動車普及に関する条例が定められているなど、環境問題には非常に早くから注目している土地柄でもございます。今後は地球環境改善、温暖化防止など、官民さまざまなイベントにこの車を活用していただき、環境問題改善の意識の高まりに貢献できれば。私どもとして、それに勝る喜びはないと考えております」。
歴史に残るアニバーサリー。
プロジェクトにちなんだ、嬉しいニュースがありました。5月20日が“電気自動車の日”として正式に記念日登録されたのです。これを受けて、セレモニーでは、日本記念日協会代表の加藤清志氏から依田社長へ認定証の授与も行われました。今回の認定について、加藤氏は次のように語られました。
「今日5月20日を記念日協会として正式に“電気自動車の日”という形で認定させていただきました。事前にいただいた資料などで審査会を開くのですが、審査員一同、今の時代にふさわしい素敵な記念日であるという感想です。記念日というのは、歴史であり、産業であり、文化であります。その一形態として日付というのがあるのです。1年後、3年後、5年後…5月20日は日本の環境にとってシンボル的な日になるのではないでしょうか」。
90年前の電気自動車「デトロイト号」の復活が正式に発表された、記念すべき日。でも、それだけではありません。たくさんの人が、電気自動車の魅力に気づいてくれるように。そして、第三次電気自動車ブームが、環境に配慮した社会づくりにつながるように。このアニバーサリーには、そんな、大きな願いが込められているのです。
甦るドライブ。
たくさんの報道陣が見守る中、依田社長が「デトロイト号」に乗り込み、GSユアサ本社アプローチを周回します。途中で「i MiEV」も合流しました。90年以上も前の「元祖エコカー」と2009年夏に発売が開始される最新の電気自動車の並走。それは、長年にわたり「電池」というエコロジカルなデバイスをつくり続けてきたGSユアサの歴史と未来を象徴するような風景でした。
改めて、復活を果たした「デトロイト号」を詳しくご紹介しましょう。修復のコンセプトはできるだけ往時の姿を残すことでしたから、目に見える部品はほとんどがオリジナルのものですし、蓄電池も最新のリチウムイオン電池ではなく鉛蓄電池を採用し、制御もオリジナルの機構を踏襲しました。ただし、耐久性を高める補強を行い、車体の維持を考慮して最高速度を制限するしくみに。さらにサイドブレーキ等を設けるなど、安全性への配慮も徹底しました。
運転方法も実にユニークです。運転席が後部座席。一般的な自動車のハンドルは円形ですが、「デトロイト号」はバーハンドル。キースイッチを入れると、いつでも電気をモーターに流せる状態になります。次に、右足でアクセルスイッチを踏むと同時に、運転席にある2本のバーのうち短い方のアクセルバーを前に出します。2つの操作を連動させるとサイドブレーキが外れてモーターに電気を流すスイッチが「オン」。
電気自動車特有の、スイッチが入る「バチン」という音がして、車が動き始めます。車の操縦は、長い方のバーハンドル。前に押すと左折し、手前に引くと右折。ある程度速度が出たらアクセルバーから手を離すと、スイッチが「オフ」になり減速。再び加速する時はもう一度アクセルバーを前に出すと「バチン」とスイッチが入ります。止まる時は、右足をアクセルスイッチからブレーキペダルに踏みかえて。シンプルですがガソリン車とは大きく違う運転方法です。
新たなる使命。
環境、社会、経済、産業…さまざまな分野で、電気自動車は今まさに注目の的。この日も「デトロイト号」は終始報道陣に囲まれ、報道カメラを同乗してのドライブも何度も行われました。その風景を、万感の思いで見守るテクニカルスタッフたち。これまでの数えきれないほどの苦労を忘れさせてくれるような、喜びのひとときでした。
GSユアサの歴史や技術、蓄電池の役割と力、エコロジーへの貢献など、「デトロイト号」はさまざまなものを象徴する存在です。GSユアサの広告塔として、そして電気自動車ブームを支えるものとして、さらなる活躍が期待されています。「これからは、本社ロビーでの展示を中心に、さまざまな社会貢献活動に『デトロイト号』を使っていきたいですね」。そう話すのは、プロジェクトスタッフの一員であるGSユアサ広報担当者。
「レプリカではない、歴史的にも貴重な90年以上も前の電気自動車です。環境関連のイベントだけではなく文化的な取り組みなど、幅広く活躍できればと思っています。それが企業アピールにならなくても構いません。見る人に楽しさや感動や、技術の素晴らしさ、環境の大切さなど、さまざまなメッセージを伝えられたら嬉しく思います」。
これから世の中がどう変化していくのか。未来のことはわかりません。しかし、より良い世界をつくり、より美しい地球を次の世代へ継承することが、今を生きる私たちの課題であることは確かです。その中で「デトロイト号」に課せられた新たな使命は、一人でも多くの人に「エコカー」である電気自動車の魅力や楽しさを伝えること。近い将来、復活を果たしたこの車がみなさんにお目にかかる日も、きっと訪れることでしょう。
実走するデトロイト号iMiEVと並走するデトロイト号
日経CNBC『企業研究シリーズ 〜電気自動車 デトロイト号 復活プロジェクト!〜』
日経CNBCで放映された当番組が動画でご覧いただけます。

日経CNBCホームページ内広告アーカイブ
http://www.nikkei-cnbc.co.jp/ad/0907_gsyuasa.html
復活したデトロイト号のこれから。
復活した「デトロイト号」の活躍ぶりは今後、当社ホームページ内「展示会・イベント」で紹介してまいります。
 
← 第15回 最後の課題。
Copyright(C) 2010 GS Yuasa Corporation All Rights Reserved.
  • 当社ウェブサイトご利用規定
  • プライバシーポリシー